オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。
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2006.12.27

 まんじゅうみっつとかが、あの身体のどこに入っていくのか謎だ。
 甘いものは別腹~とか言うヤツの胃袋が本当に二つあるわけじゃないし、あったら怖いし。
「言いたいことがあるなら言え」
 据わった目で睨まれた。
 いえいえ、決してそんな、滅相もない。
「別にないない。それより一度中央ギルドに戻らなきゃならないんだけどね。来る?」
 魔女盗賊の件も片さなきゃだし、その間ただ待っているのも退屈だろう。
「行って大丈夫なのか」
 安心しなさいよ。いきなりこいつが犯人です、なんて突き出しやしませんてば。って、そういう意味じゃないか。
「オレが用があるのは受付窓口だから大丈夫だよ。そこはハンター志願者も来る場所だし、普通に関係者以外のヤツもうろついてるから」
「ふうん」
 そう言ったきり、黙ってついてくる。ほどほどに興味はあるらしい。


 いつもの調子でギルドの受付に顔を出してみれば、相変わらず代わり映えのない面子が建物の中にひしめき合っている。
「やっほー、事務員さん」
 無表情に書類整理に勤しんでいた事務のおねーさんに声をかければ、無表情なまま出迎えてくれる。
「コーラスさん。お疲れ様です。相変わらず収穫はなしですか? ……まさか、その後ろにいるのが」
「違う違う。犯人だったらちゃんと確保して連絡するなり連行するなりするって」
 速攻シイナを疑われてしまった。
 いや、実際間違いなくこいつが犯人なんだけどね。
「それよりさ、ちょっと遠出するんで、休職願いを出そうと思って」
「休職願い? 遠出ってどちらへ?」
「鍛冶屋のとこ。そろそろ剣を見てもらおうと思って」
 もうそんな時期ですか、と呟いたおねーさん、しかしツッコミは忘れない。
「盗賊の件はどうするんですか。まだ手掛かりないじゃないですか」
「あー、それなんだけど」
 オレは朗らかに後ろに立つシイナを手で示した。
「もう3日現れないじゃん? 3日前に盗賊に襲われたっていう彼女に会ってさ、彼女に聞いたら、もうその盗賊この辺にいないんじゃないかって話なんだよねー」
「そうなんですか?」
 おねーさんの目が驚きで見開かれる。きっとシイナの目も驚きで見開かれている。
 さりげなく振り返ってみれば……ははは、やっぱりね。
「ええと、お嬢さん、どういうことですか?」
「え、いや、え……」
 当然のごとくに戸惑ったシイナ、けど意外に早く、次の言葉が出てきた。
「えーと、そうなんです。私、3日前に宝石商から精霊石の飾りを買った直後に、女の盗賊に襲われて精霊石を盗られたんですけど、その石を見るなり盗賊はそれを捨ててしまって、西のほうに飛び去ってしまったんです。その時、この街はもう用なしだなって呟くのが聞こえて……」
 凄いなー、シイナ。伊達に白の塔のトップにはいないね。って、それは関係ないか。よくもまあ咄嗟に、これだけの言葉が出てくるもんだ。尊敬に値するなあ……ははは、そう睨むなよ、証人のお嬢さん。
「それじゃあ、この街に、まともな精霊石はないと判断して、他に移動したのかしらね……実際その通りだけど」
 書類をガサガサとあさりながら呟くおねーさんに、うんうんと頷いてみせる。
「オレが用のあるいつもの鍛冶屋も西の方角じゃん? だから手掛かりがあれば伝達も出来るし」
 シイナのでっち上げとオレの向かう方向が同じだったのは、まったくの偶然だ。
「そうですねえ……ギルドにはハンターの拘束力はないですしね」
「拘束力?」
 おねーさんの言葉に、シイナがポツリと呟いた。
「ああ、ハンターってのは基本的にギルドに仕事を取りに来るモンだからさ。本来資格があってそのギルドに登録されてるってだけで、ギルドはその行動を強制、抑制することはできないんだよ」
 休職願いなんてのは便宜上の言葉で、実際に書類なんかは存在しない。
「へえ」
「オレみたいに凄腕になると、ギルドの方から仕事の依頼を出されたりすることもあるんだけどさー」
「とにかく」
 ソッコー話を遮ってくれました。さすが中央ギルド敏腕事務員のおねーさん。
 何だよ、本当のことなんだからいいじゃんよー。
「そういうことでしたら、どうぞ行ってらっしゃい、コーラスさん。ちゃんと無事に帰って、ギルドに顔を出してくださいね」
「はいよ~」
「それと鍛冶屋の工房のイエローストーンのグラスセットをふたつお願いします」
 さり気に土産要求されました。いつものことなんだけどね。
「了解」
 話は終了と受付から離れたところで、おねーさんは別の事務員に口頭で伝達した。
「への153番コーラス・サンレイク、不在になります」
 これで安心して旅立てますよ。
 と、中央ギルドの建物から出たところで、後ろから物凄い勢いで肩を掴まれた。
「おい待て、コーラス!」
 うわ、シイナさん怖い。
「悪かったってー。でもシイナがちゃんと答えられなくてもフォローは出すつもりでいたし、せっかく第三者がその場にいるんだから、説得力を持たせようとだなー」
「そんなことじゃない!!」
 あーらら、さっきまでのしおらしい態度はどこへ行っちゃったのさ。

「コーラスお前、サンレイクの人間なのか」
「……」
 耳がいいなあ。
「コーラス・サンレイク、ミドルネームは」
「ないよー」
 シイナは瞬時に顔色を変えた。
「そんなバカな」
「バカって言うな」

 さすが白の塔。
 ……やっぱり知ってるんだなあ。





==椎名の呟き==
ちょっとひっぱってみたり?
でもまあ、あくまでライトシリアスで軽いノリですから~。

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