オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。
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2007.01.18

 うねうねとうごめく謎のゼリー状物体(色は深緑色)は、常にグニャグニャと形を変えつつ、口と思しき部分の上に、小さなくぼみをふたつ作り出した。
 ……目ですか。それ。

「チッ……コーラス、ここ、ちょっと押さえてくれ」
 シイナが相手を見据えたまま、つい、と左腕をオレの目の前に差し出した。手首に近い部分が、妙に腫れている。
「え、ここって、ここか」
 そっと触ったつもりだったけど、触れただけでシイナの眉間に皺が刻まれて、びびった。
「折れた」
 うえええええ!?
「大丈夫だから押さえてろ。とりあえずくっつける」
 くっつけるって。そりゃお前は治癒魔法使えるかもしれないけど、相当痛いんじゃないのか、それ。って、そんなこと言ってる場合でもないのか。
 見たところ、折れたって言ってもポッキリふたつになっちまった訳でもないらしいから、これ以上おかしな方向に折れる前に、できるだけ痛みのないように、その手を支える。
「新しい槍さまさまだな……。精霊石がなかったら、腕一本持ってかれてた」
 精霊石の魔法力増幅、実感してますね。
 いやいやいや、そんな呑気なことを考えてる場合じゃない、オレ!
「もういいぞ」
 早。
 あんまり腫れはひいてないように見えるけど。

 しかしそんなやり取りをしている間、おかしなヘドロはぐにゃぐにゃとうごめいたまま、目なんだか何だかわからない部分を右往左往させていた。その後方では、謎の少女がそのヘドロを必死の眼差しで見つめている。
「なんだお嬢。違うのか? ふん? ふん。はあー」
 お前、誰としゃべってるんだ。
「迷子と勘違い? そりゃバカだなあ。ははははははは。うんうん。なんだ、そうかそうか」
 バカとはなんだあ!
 というか、状況から考えて、ヘドロは後ろにいる少女と話しているように見えなくもないんだけど、終始無言の彼女とどうやって意思の疎通をしているのか謎だ。
 そのくぼんだ目が、ぐるりとオレたちに向けられた。
 また来るか!?
 咄嗟に身構えたけど、そのヘドロはぐにゃぐにゃと形を変えはじめた。
「不用意にお嬢に近づこうとするから、勘違いしちまったじゃねーか。これに懲りたら、オレ様の許可無くお嬢に触るんじゃねーぞ、坊主」
 まだ指一本触れてないが!
 大体、勘違いってナンだ。そもそもお前らは一体何なんだ。

 うごめいていたヘドロは、徐々に形を変えて行き、両手で一抱えくらいの大きさの鳥へと変化した。相変わらず、色は深緑なまま。
 あの状態のヘドロから、羽一枚までどうやって形成してるんだ……。
「お前ら一体なんだよ!!」
 急に現れて、いきなり物騒な光ぶっ放して、なんか自己完結してるし。
「なんなんだとは、こっちも訊きたいところだ坊主。なんでそんなでかい精霊石ふたつも揃えてやがるんだ? そいつの気配を辿って、お嬢はここまで来ちまったんだよ」
「それでいきなり腕落としかねない攻撃かよ!?」
「お嬢に危害を加えるヤツは、有無を言わさずオレ様の攻撃対象よ。まあ勘違いだったらしいから、それはすまなかったがなあ」
 腕折られて、勘違いですまなかったって何だ。
「お嬢が言うには、精霊石の力を頼りにここまで来ちまったんだとよ。お嬢はそりゃあ力の強い召喚師だ。精霊石の気配には敏感なんだぜ」

 召喚師……?

 召喚師って、あの召喚師か?
「大樹海で暮らしてたっていう?」
 オレの言葉に、もとヘドロの鳥はふんぞり返った。
「召喚師が他にどこにいるよ」
 偉そうだな。鳥。
 召喚師って存在は聞いたことはあるけど、お目にかかったことなんて一度だってないんだから仕方ないだろ。北の国の大樹海に住んでるってのだって噂程度の情報だし、正直そんなのが本当に存在してるのかだってわからなかったんだから。
「でも大樹海って言ったら……3年前に、襲撃受けて壊滅した場所だよな?」
 彼女も、その時の生き残りってことなのか?
「大樹海は大破したぜえ。だが人間とエルフを一緒にするなよ。召喚師連中は襲撃の時、それぞれが各地に散らばって逃げおおせたさ」
 エルフって……。
「召喚師がエルフの末裔って、本当なのか?」
「末裔っつー言い方でいいんか? 召喚師は全員、生粋のエルフだ。高貴な存在だ。もっとも、エルフなんて呼び方は人間が作り出したものだけどな。お前、大体人間なんぞに召喚獣が扱えるわけねーだろ」
 いちいちカンに障る物言いをする鳥だなー。
 しかしなるほど、人間じゃないのか……。なら額がパックリ割れて変なものが出てきたのも納得。別にエルフにそんな特技があるって知ってたわけじゃないけど、少なくとも人間の額は、そう滅多な事では割れたりヘドロを出したりしない。ていうか絶対しない。

 押し問答をしていたら、シイナがズイッと俺を押し退けて前に出た。
「で、その召喚師とやらは、なんだってこんなところにやってきたんだ」
 シイナの言葉には、鳥は妙にそわそわというか、バツの悪そうな雰囲気でキョロキョロと目を動かす。
「そいつは……アレだよ。たまたまひっそり身を隠してた近所ででかい精霊石の気配があったから、お嬢が……。別にオレ様は人間なんざと話をする必要はまったく無えと考えてる訳だが、なんだその、そういうことを言ってる事態でもなくなってきたってーか……」
 意味がわからん。

「あなたたちの、色が……綺麗……だったから」
 うお、たまげた。
 鳥の後ろで縮こまってた女の子が、突然口を開いた。
「あー、つまりだなー」
 ゴホンと、鳥が咳払いをする。
 その姿で咳払いって、なんか変だぞ。
「つまり、お嬢とお前らの敵とするところが同じなんじゃないかと、お嬢はそう判断したんだとよ。で、話をすることが出来ないかと、ここまでやってきたんだそーだ。そういうことは早めに言ってくれよなあ、お嬢」
 その暇も与えなかったんじゃないのか、ひょっとして。
 それより、さっきからほとんどしゃべってない少女から、それだけの情報を引き出してるって事実も凄いけどな。どんな対話方法だ、それ。
「とにかくだ、そういうことだから、ちっと話をしねえか、坊主ども」
「……」
 こっちはひとり腕を折られてるってのに、いけしゃあしゃあと言ってくれる。

 しかし、だ。
 これはその、どうしたらいいんだろう?





==椎名の呟き==
エルフ~なんて言ってますけど、実際正体がわからないからエルフだの精霊だの言ってるだけで、別にそういう種族名があるわけじゃないっぽいね。彼らの場合。単に人間とは違うだけで。
(ここで解説してどうする)

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