オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。
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2007.01.27

 洗いざらい話すというのがどこいらからとなると、サンレイクや白の塔や大樹海の壊滅からということになる。ここから行かないと、どうせ話の途中で訳のわからない部分が出てきて、話が前後することになるからね。
 結構……込み入ってる事情なんだよなあ。結局シイナの正体とかもバラさなきゃならないだろうし。


 オレやシイナやソルダムがかわるがわる話している間、ディク先生は時々微妙に表情を変えていたりしたけど、気付いた時には部屋の中にミリネがいたりして、召喚師なんて存在を疑ってかかってるような雰囲気だった彼女も、さすがに信じざるを得なかったみたいだ。
 だってすでに、サウロの存在がおかしいでしょって。
 しゃべる鳥ですよお?

「ていうかミリネ、無事で良かった」
 何事もなかったかのように、いつの間にかそこに姿を現した少女に声をかけてみれば、本当に消え入るような声で「ごめんなさい」と聞こえた。
 宝石をはめ込んだような額の割れ目はその存在を隠していて、今の彼女はただの人間の子供のようにしか見えない。
「召喚師……か」
 ディク先生が、しげしげとミリネを眺める。
 まあ、当然の反応だよなあ。召喚師だとかエルフだとかなんて、おとぎ話みたいに根拠のない噂として語り継がれてきただけで、大樹海の中に本当にそんな種族が存在してるなんて、誰も実際には知らなかっただろうから。オレだってそのひとりだもんね。
 クワッと、サウロが両羽を扇形に開いていきり立った。
「ぶしつけな目でお嬢を見るな、人間!! 無礼な!!」
「他人に偉そうに命令する前に、窓代を弁償したまえ、従属」
「グ……」
 サウロの威嚇も、ディク先生にはまるで通用しない。サウロが言葉に詰まるなんてこともあるんだねえ。ははは。愉快愉快。って、ちっちゃいぞ、オレ。
「なあ、ディク」
 ソルダムが、ディク先生の隣に立つ。
「コーラスやシイナのこととか、召喚師のこととか、できれば他の人間には他言しないでもらえるか? 色々と、不都合な事態が起こることも考えられるから」
「ふむ……」
 ディク先生、チラリとオレの方を見る。
「知り得た情報を必要以上にベラベラとふれ回る趣味はもともとないが……人に知れれば色々と困ることも生じるかね? コーラス」
 うーん。どうだろう。でも。
「……多分。サンレイクも白の塔も大樹海も、一般に知られてないことが多いし、水面下で起こってることに関しても、あまり多くに知れると、無用の混乱を招く可能性もあるしね。だから、3年前から事の成り行きを監視調査してる機関もあるけど、それについてはまったく情報を公開してない状態だし」
 ディク先生は、納得したように頷く。
「なるほど。では私も今聞いたことは他言しないと誓っておこう。困るのがソルダムなら滑稽だが、キミも困るのでは気の毒だからね」
「あ、ありがとう……」
 ソルダム、お前とディク先生の関係って、本当にどんな状態なんだ。
「ディク、お前な。滑稽とはなんだ」
 憮然とするソルダムの抗議も、ディク先生にはどこ吹く風らしい。肩をすくめて目を眇める彼女には、何だか誰も勝てるような気がしないんだけど。
「そんな重要な事を3年間も黙っていたお前が悪い」
「それはだな……」
 海辺で亡国の王様を拾いました――なんて。確かにそうそう口に出せることでもないような気はする。大体まったく本当の話に聞こえないしね。
 ディク先生もそれはわかっているらしく、あえて追求はせずに視線をこちらに切り替えてきた。
「それでだ。今になってその召喚師のお嬢さんが何者かにさらわれたというのは、やはり3年前の事件はそれだけでは終わっていないということになるんだろうな?」
 そういうことだろう。
 目的がよくわからないってのは事実なんだけど、あの事件の当事者としては、あのままで終わるはずがないって確信はある。まだその犯人の目的は果たされてはいないと、そう思う。そして、召喚師たちが感知した気の異常ってことを鑑みれば、今になってまたそいつらは、新たな動きを見せ始めたってことなんだろう。

「ミリネ、キミをさらった人間っていうの、どんなだったか憶えてる?」
 ミリネはただフルフルと首を降った。
「お嬢をさらったのは、姿かたちはコートやフードで隠していたが、種族で言えば間違いなく人間だ。結界を張っていたようだから、魔法が使えるのだろう。人間の中では、相当高いレベルだな。閉じ込められていたのは、ポーラス中央地区の北の森の、おそらくは使われていない猟師小屋だ」
「ミリネは、そいつのことを探ろうと思ったんだな?」
「……」
 無言で頷く。
「お嬢はまず、そいつが召喚師を見た時に、どんな反応をするのかを確認したかったらしい。予想通り、相当驚愕したようだな。やはり3年前のあの日に、召喚師をすべて滅ぼしたつもりでいたんだろう。バカめ。ほとんどの召喚師が逃げ延びていることも未だに知るまい」
 てことはやっぱり、ミリネをさらった人間は、3年前の事件に何らかの形で関わっていると見て間違いないんだろうなあ。
 しかし同時通訳のごとくまくし立てるサウロを見ていると、ミリネは心の中では物凄くおしゃべりなんじゃないかなあ、なんて思ってしまう。彼らの意識下での会話を聞いてみたいような、でも何だか怖いような。
 なんて、今はそんな場合じゃないですってば、オレ。

 兆しが見えたからには、オレも動き出さないとな。向こうの実体はまだ全然見えてきてはいないけど。
 ぜーったい、暴き出してやるもんね。





==椎名の呟き==
ソルダムとディクは仲良しですよ。これでも。
ディクみたいな人は、気に入らない人間には近寄りもしないんだろうなあ。

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