オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。
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2008.02.15

*ROシドクスクエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

 ひとりでどうにかできると、思っていた。
 思わなければならなかった。
 誰も巻き込まないように、なんて。願うだけなら誰でもできる。だが、願うだけでは、それは決して叶わないのだ。
 ではひとりで駄目ならどうすればいいのか。答えはふたつ。すべてを放って逃げ出すか、それとも、誰かと手を取り合うか。

 本当はそれを避けたかったのか、望んでいたのか、もうわからない。
 けれどこれを、一蓮托生というのだろう。

「――わかった」
 シイナは、顔をうつむかせてポツリと呟いた。
「話すよ」
「……」
「全部話すから、早くここから離れよう」
 目の前の人物に、それだけの覚悟があるというのなら。それすらも受け入れられないとしたら、それは単なる傲慢でしかないと、シイナはそう思う。
 諦めたように立ち上がると、シイナはその場にワープポータルを出した。
「オレが乗ったらポータルが消えてしまう。君が先に乗るんだ」
「……シイナ」
「大丈夫。逃げないよ」
 トン、とララクセルズの身体をポータルへと押し出した。ものを言う暇もなく、その身体がその場から掻き消える。
 それを見届けて、シイナはそのポータルに乗らずに振り返った。
「まあ、因果な性分だな、オレも……」




 飛ばされた場所のあまりの賑わいに、ララクセルズはどうすることも出来ないままその場に突っ立っていることしか出来なかった。
 もう陽も沈みきった頃合いだというのに、その活気は静まることを知らないかのようだ。

 ここがどこなのかもわからない。けれど、急にそこに人が現れても、誰も気にする様子もない。自分の後から何人もそこに現れたが、皆また勝手に歩き出したりその場で休んでいたりと、なんというか行動が自由だ。アインブロックで見かける観光客のような、戦闘のために身を固めた人間が圧倒的に多い。シイナと同じ、聖職者の法服を着た人間も大量にいた。ここはルーンミッドガッツの国の、どこかの街なのだろう。
 けれど、シイナは来ない。
 意味もなく、あたりをキョロキョロと見回してしまう。
「まさか」
 逃げたのだろうか。
 一抹の不安を覚えた瞬間、目の前に現れたシイナの姿に驚愕した。
「うわ!」
 嘘をついて逃げたわけではないとはわかったが、その場にガクリと膝をついたシイナは、全身傷だらけだった。
「おい、シイナ……」
 呼びかけた瞬間、周りにいた数人の聖職者から次々と回復魔法を浴びせられて、シイナは何事もなかったかのように普通に立ち上がる。傷は全部消えていた。
「ありがとう」
 つと手を挙げて周りに軽く礼を言ったあと、シイナはララクセルズに向き直った。
「回復できないほど消耗してたわけでもないんだけどね。ここはそういう場所だから」
 こっそりと笑うシイナに、ララクセルズは言葉を返せない。実は彼も、ここに現れた途端に、傷も負っていないのに大量の回復魔法を浴びせられたのだ。ここに来た人間に、無差別に回復魔法をかけて回る聖職者は多いらしい。傷ついて戻ってくる冒険者にはありがたい話だろう。
 つまりこの場所は、魔物討伐の旅から戻ってくる冒険者たちの溜まり場のようなものなのだろうと理解する。

「お前、何やってたんだよ」
 逃げないと言ったくせに後から現れないから、正直ララクセルズは不安になっていたのだ。やっぱり逃げたのではないかと。
「ちょっとね。君をポータルに乗せた後、すぐにモンスターが大量発生してさ。そのままポータルに乗ってきちゃっても良かったんだけど、どうも目の前に現れたモンスターは倒しちゃわないと気がすまない性分で」
 言いながらシイナはララクセルズの内心に気付いて、フッと軽く微笑んだ。
「なんだ? 逃げたと思った? 君をこんな知らない街に置き去りにして逃げるわけがないだろ」
「お前なあ……ていうか、ここどこだ?」
「ここは魔法都市ゲフェンだよ……っと、ヤバ」
 言いかけてシイナは慌てて顔を隠そうとしたが、間に合わなかった。
「プリースト・シイナ?」
 夜の色のヴェールをまとった修道女が、規則正しい歩調で近づいてくる。
「シスター・テルーザ……」
 あまり顔を合わせたくない人に見つかってしまった。
「なぜあなたがここに? アインブロックに向かったのではないのですか?」
「いえ、私は法具の補充に立ち寄っただけです。室長こそどうしました?」
「私はトーマス司教の御用向きで」
 室長の言葉に、シイナは嘘くさい笑顔を張り付かせた。
「そうですか。私はまたすぐにアインブロックに戻りますよ。まだ調査も始まったばかりで報告できるようなことも何も無いので」
「そうですか。くれぐれもお気をつけなさいね」
 プロンテラ大聖堂聖職者の心得そのいち。人を疑うは聖職者の恥。シスター・テルーザは欠片ほどもシイナを疑わず、そのままゲフェンの街中を歩いていった。
「ふう……」
 そして聖職者の心得そのに。人を騙すは人の恥。もしも嘘がバレたら、厳しい室長のどんな制裁が待っていることか。しかし真実を話すわけにもいかない。要はバレなければいいだけの話だ。
「行こう」
「え、おい!?」
 歩き出したシイナに、その場で突っ立っていたララクセルズは慌ててその後を追った。





==椎名の呟き==
今じゃーゲフェンで辻ヒールをする人も少なくなりましたなあ。
ええ、自分もしませんがねえ。
色々と変わったもんだ(しみじみ)。

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