オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.10 コーラス・ブレイド ~捨てる前に揉めよう

2006.12.28

 その国は小さな島国で。
 小ささに似合わずイイもの沢山あったから、変に頑張っちゃってたんだけどね。
 その国の名はサンレイク。

「サンレイクで、国の名を冠するのは王族のみだ」
「うん」
「そして、ミドルネームを有さないのは、王ただひとり」
「うん」
 ほんっと、よく知ってるなあ。
「別に隠してたわけじゃないけどさあ。もう無いも同然の地位だし。大体、オレの名前聞いただけでわかるヤツなんて、そうそういないって」
「王族が、生き残っていたのか……」
 わーるかったですね。
 まあ、そのうち話す機会もあるかなーくらいには考えてたから、それが今だって全然かまわないけどさ。

 サンレイクは、3年前の騒乱の際に、一夜にして滅ぼされた。
 確かにオレは王位継承権は持ってたけど、その時はオレの祖父が王で、俺の前に王位継承するはずの父親ですら、まだその地位にはついてなかった。
 ウチの国は王制の小さな島国で、人口も少なかった。名前さえ知らない人間が多いはず。
 でもその小ささに似合わず、とても貴重な物の産出国でもあって。
 それが、精霊石。
 精霊石の産出量はおそらく世界でも有数というかむしろトップで、その純度も高く、国民は精霊石の上で生活しているようなものだった。もう、島全体が精霊石で出来てると言っても過言じゃない。
 で、モノがモノだけに、その乱獲やら悪用を恐れて、サンレイクの国は随分長いこと国を閉ざしていて、本当に僅かしか、他との国交を持っていなかった。ご丁寧に国全体に厳重に結界まで張り巡らせてさ。
 うっかり戦争にでもなったら、絶対に勝てない自信もあったしね。
 けど、その結界をものともせずに国土に侵入し、国全体を一瞬にして焼き払ったヤツがいる。
 何故そんなことが可能だったのか、今でもわからない。
 いよいよ最後まで残っていた城も焼き払われる段になって、オレは王と父親から、そこにあった僅かな精霊石と自分の愛用の剣を持たされて、お前だけは逃げ延びろと城の背後の断崖絶壁に、力いっぱい放り出されたわけだ。

「崖から放り出されて無事なんて……頑丈にできてるな」
 おいおいおい、シイナさん。
「頑丈とかいうレベルじゃないよ。普通に死にます、死ねますよ。空中分解だって夢じゃない」
 持たされた精霊石に守護のまじないがかかってたせいで、空中散布されずに済んだだけだ。だって断崖絶壁って、下は海で、海面までの距離は城の高さ3つ分くらいはあったんだぞ。海ポチャしてから近隣の島に流れつくまでの記憶なんて、さっぱりない。

「お前は生きて道を探せ。コーラス・サンレイク!」
 オレを放ったときに、王である祖父はそう叫んだ。
 それまで持っていたミドルネームを取り除いて。
 そうして転落していくオレの視界の隅で、城は一気に炎上した。
 王位の継承から国の消失まで、一瞬で終了。

「まあだからね、その遺志を継いで王の名を語ってはいるけどさ、実際は何の意味も無いわけだよ。国自体がもう存在しないんだから」
 それを知っているのだって、オレの周りではハンターギルドの上部の人間だとか、とにかくほんの一部しかいない。
「……納得がいった」
 シイナが深々とため息をついた。
「はい?」
「その剣の腕と、生まれたときに与えられている精霊石。それと、白の塔に関する知識。おかしいと思った」
「良かったなー。謎が解けて」
 ガツン。
 いてえ。
 女らしくをモットーにするなら、他人の頭をグーで殴っちゃダメでしょ。
「でーまあね、後になって調べたんだけど、サンレイクの周り、新しく結界が張られてるんだよね」
「結界?」
「外部からまったく干渉できないようになってる。その内側に、何かが潜伏してる可能性が高いわけで」
「一度焼き払った地で、何を……」
「だろだろ?」
 サンレイクが滅ぼされた理由が「土地」にあるのだとしたら、狙っていたのは「精霊石を有する土地」ってことで。その土地を乗っ取って何かを成し遂げようとする輩が結界の内側で何事かを行っているのだとすれば。
 それは将来的に、かなり怖いことになりそうな気がする。
 オレはそれを黙って見ているつもりはない。人ん家で何やってやがる。
「つまりオレもお前と同じでさ。どうにも出来ないように思えても、生きてるからには諦めるわけにもいかなくてね」
 どうせ一度は失いかけた命だから、捨てるのは簡単かもだけど。
 だったら、捨てる前に色々やったっていいじゃん。いつでも捨てるつもりでさ。
「前向きな王様だな……」
「へへ。それはどうもありがとう」
「本当に前向きだ」
 なんで呆れますか。
 肩をすくめて歩き出すシイナの後を追う。オレが先導しなきゃ、道わからないだろーがよ。

 だから、やれることをやるとして。
 今やるべきは、鍛冶屋の許へと向かうこと。というわけだ。





==椎名の呟き==
いかん、情報量が多すぎて消化できない。
読んでくださる方、あまり難しく、辛く考えられませんようにw

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