オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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40 逢魔が時! 第四話【魔と降魔】…7

2007.05.27

 もう大丈夫だからと、巡は家に帰された。
 けれど不安は消えない。
 もう家に帰った方がいいと朝比奈は言っていたが、正直、家の中なら安心だなどと、今の巡には到底思えなかった。
 相手は既に巡の家も知っていて、いつどんな手を使って乗り込んでくるかもわからないのだ。もっともだからといって、他に逃げ場がある訳でもないのだが。

 どういうつもりで、かぼと一緒にいるのかと訊かれた。
 どういうつもりって、要は成り行きで。
 でも今は家にかぼやシンがいるのが当たり前になっていて、いなくなればいいとか、そういう風には思わない。
 それを知って、相手はどうしようというのだろう。
 そこに魔の刻の者がいる限り、また彼が現れるのは必至だ。本人もそう言っていた。
 それで、どうする?
 朝比奈の言うことをそのまま受け止めるとするなら、氷村はかぼを、どうにかしようとしているのではないか。例えば、物の怪であるかぼを、消してしまう――とか。
 彼にそんなことが出来るのかはわからない。
 けれど、そうする気満々なような、そんな気配はあった。。
 それをするためなら、手段も選ばないような、そんな気さえする。そんな容赦のない印象が、あの氷村にはあった。

「どうすればいい?」
 考えの煮詰まった巡は、かぼに向かって訊いた。
「どうもこうもないわな。なるようになるし、なるようにしかならん」
 かぼの返答は明快だが曖昧だ。
「過去にそういう輩がまったくいなかったわけでもないしの。わちらは慣れっこだ。それをかいくぐってきたから今わちはここにいる。けど、負ければそういうわけにはいかんの」
 相変わらずの、不真面目そうなニヤけ顔。多分、かぼ自身は大真面目に答えているのだろうが。
 けれど巡は落ち着かない。当然だ。
 自分が誰かに狙われるなど、これまでに経験したこともなくて。それが、どう出てくるかもわからない。
「まあ、少なくともあ奴そのものは、ぬしにはそれほど危険はないだろ。この界隈にいる限りはな」
 呑気そうに、かぼは言う。
「なんで」
「奴の身元は、割れてるだろう。経歴に何がしかの虚偽がある可能性もなくはないが、それにしたってこの近辺の学校で教鞭を取っている身だ。警察沙汰になるような無茶はしないだろうよ」
 かぼの言葉は少々難しかったが、それでも、それもそうか、と巡は思う。が。警察沙汰。あまり体験したくはないが、実際はどうだろう。
「もっとも、あの男以外の誰かが出てくればわからんがの。そもそもその何とか機関というのは、わちも良く知らん」
「……」
 嫌なことを言ってくれる。
 こんな状況で、頼るものが何もないというのは苦しい。何かが起こった時に、身体を張って大丈夫だと安心させてくれる存在がないというのは。普通に生活している限りは、未だ年長者の保護下にいるのが当然なのに。
「……メグ。これは母上にも相談した方がいいかもしれん」
「えっ?」
 自分の思考を読むかのような台詞に、巡は驚いてかぼを見る。
「メグ自身の危険の可能性もそうだがの。やはり、ぬしひとりで対抗しようとするのは良くない」
 それに、遅かれ早かれ、この世界は別のものへと変貌していく。
 できることなら、それを知っている人間から少しずつ、そういう世界への免疫を作っていった方がいいと、かぼは考える。
 もうメグは知っているのだから。
 メグから家族へ。そして地域へ。急ぐことはないし、ただそんなことをふれ回っても、どうかしてしまったと思われるのがオチだ。だから、まずは一番近いところから。幸いメグの家族はかぼたち物の怪に一応の理解がある。それに関係するところで巡が狙われていると知れば、彼女たちなりに守ってくれるだろう。
 その時、かぼやシンがどう思われるかは定かではないが。


 カリカリ。

 ドアの向こうで、微かな音がした。

 カリカリカリカリ。

 巡はすぐに察する。これは、猫のシンが扉に爪を立てている音だ。入れてくれとせがんでいるのだろう。
 かぼが立ち上がって、ドアを僅かに開けてやると、「やーん」と甘えるような声で飛び込んできたシンが、巡に飛びついてきた。
「シン。どうした?」
 やんやんと巡の肩にやたらと擦り寄るシン。普段から人懐こいが、こういう彼は珍しい。
「……」
 かぼが、そんなシンの様子に目を細めた。

「そう来るか。相談する間も与えてくれんらしい」
 かぼは、小さな声で呟いた。





==椎名の呟き==
どうでもいいけど、長い一日だね……。

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