オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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01 Beautiful World ~序章 プロンテラにて

2007.09.20

 ルーンミッドガッツ国、首都プロンテラ。
 人口が多く、交易の中心となっている、景観も美しい街。魔法国家ルーンミッドガッツが誇る、中心都市だ。

 久しぶりに首都に立ち寄ったコーラスは、キョロキョロと辺りを見回す。この街は、いつ来てもあまり変わらない。

「おーい」
 露店商の立ち並ぶ中央通りで、遠くからかかった聞き覚えのある声に、コーラスは振り返った。
「あれ、ソルダム」
「ひっさしぶりだな~」
 コーラスが馴染みの顔に片手を挙げて応えると、ソルダムはいそいそと自分も出していた露店を片付け、近付いて来た。揺れる金色の髪に、プロンテラに降り注ぐ光がキラキラと輝く。何気に派手な男だ。
 大分久しぶりに会うのだが、あまりそういう感覚はない。お互い変わらないせいだろうか。
「相変わらず露店か」
 コーラスの言葉に、ソルダムはあっけらかんと笑う。
「だってオレ、それしか能ないもんね。そういうお前は相変わらずモンスター討伐の日々か」
「まあね……」
 この大陸に蔓延る、様々なモンスター。彼らがどうして存在するのかは知る術もないが、そこで暮らす人々の安全を護るために、コーラスのような人間が多数存在する。彼らの多くは冒険者となり、各地に散ってモンスターの討伐に明け暮れる。後から後から生まれるモンスターは数が減る事もないが、こういった冒険者の活躍で、ある程度その脅威を抑えているのだ。
 ソルダムも時々はモンスター討伐に出かけることがあるが、剣士ギルドに所属し剣を振るうコーラスとは違い、彼の本職は鍛冶師だ。しかも、鍛冶にはまったく精を出さずに、露店で商売をする事に重きを置いている、つまりが露店商人である。
 どちらにせよ、マイペースな二人だ。
「何売ってたんだ?」
 コーラスは、ソルダムの商売道具であるカートの中を覗き込む。
「シイナからの預かり物だよ。ていうか、ヤツからオレが買い取ったモノだけどな」
 へえ、とコーラスはソルダムを見る。
 ソルダムとの再会も久しぶりだが、シイナという名前も久々に聞く。
「シイナ、元気なのか?」
「うん、割とな」
 コーラスとソルダムとシイナは、出身こそそれぞれ違うが、随分前からの馴染みだ。ここプロンテラの出身はシイナだけだが、首都であるこの街には、様々な地方から人間が集まる。そうしてコーラスとソルダムもこの街に立ち寄った時に、シイナと出会ったのだ。
 もちろん出会い自体多い街ではあるが、この三人は妙にウマが合ったというか。あまり長い時間を一緒にいるわけではないが、離れて暮らしているからといって疎遠になるでもない。良好な関係だ。

「そういえば、聞いてるか? シイナの事」
 少し声を落とすソルダムに、コーラスはキョトンとして首を振る。ソルダム以上に長いこと、シイナとは顔を合わせていない。自分の顔を見ればからかうことばかり考えている性格の悪いヤツだが、会わないでいればそれなりに寂しくも感じるものだ。
「どうかしたのか?」
 ソルダムの微妙な表情が気になって、コーラスも若干声を落としてしまう。
「あいつ、相方に捨てられたって話だよ」
「はあ!?」
 相方に、捨てられた?
 ってどういうことだっけ。
 コーラスは悩む。

 シイナには確か、相棒と呼べるパートナーがいたはずだ。名前は憶えていないが、たしか攻撃魔法を得意とするウィザードの男だったはずだ。回復魔法を得意とする聖職者であるシイナは、彼の支援をしながら共に戦っていた。
 そうやって相性の合う者同士で共闘する事は、この国においてはある程度普通にある事だ。孤高を保ってひとりで闘う者や、その場限りの仲間を募る者も多いが、慣れている相手と共に戦う方が、危険も少なく、戦いの日々も殺伐としたものだけではなくなる。
「捨てられたって? 喧嘩でもした?」
 相棒である者同士が別れるというのは、よほどの事情があるか、そうでもなければ仲違いをした時くらいだ。
「正確には、シイナの事が嫌になって捨てられたってわけじゃないらしいけど……ヤツの話だと、まあ、相方はひとりで旅に出ちまったって話だな」
「旅ぃ?」
「まあ、色々とあったんじゃないかとは思うけどさ。あんまり立ち入った事は聞けないじゃん」
「それはそうだけど……」
 信頼していたはずの相手と離れてしまったという事は、シイナは今何をして暮らしているのか。もともと飄々としている彼が、新たな仲間探しに奔走するとも考えにくいし、かといって、大聖堂に篭っているというのも、彼の性格上あり得ないような気はする。
「別に、この件に関してはシイナも納得済みらしいよ。案外あいつ元気だったし。オレ相手に強がる男でもないからな」
 そんなソルダムの言葉には、コーラスは憮然としてしまう部分がある。シイナはコーラス相手には、少しも弱みを見せようとしないからだ。そういう事ではないらしいが、どこか見下されているような気がしてしまうのは仕方のない事だ。それぞれのキャラクターの役割という事なのかもしれないが、そんなに自分は頼りないのかと思ってしまう。
「落ち込むような事でもないとは言ってたな。あいつ今は、ひとりで修道院跡に出かけてモンスター討伐してるらしいぞ」
「ひとりでぇ?」
 修道院跡地といえば、かのグラストヘイム古城跡の中の修道院の事だろう。あそこは随分昔に廃墟となって、内部には強力なモンスターがうようよいるはずだ。確かに、修道院跡には不死属性の魔物が多いから、聖属性攻撃を持つ聖職者には有利な場所だが、何もそんなところにひとりで出かけなくても。そうでなくとも聖職者は、前線での戦いには向いていないのに。
「相棒とか仲間を探す気はないのか?」
 コーラスの質問には、ソルダムは腕を組んで考え込む。
「まあ、あいつはなー。モンスター討伐のために仲間を探すって気はないらしいな。ああいうのも自然の流れというか……」
 確かに、それは言えるが。
 目的のために仲間を探すのではなく。共に戦いたいと思える誰かと出会って、それは初めて仲間と呼べるものになるのだろうし。
「まあ、そんなに深刻になる話でもないけどな。ただ一応、報告だけ。あいつはあいつで、日々楽しく過ごしているらしいよ」
 シイナ基準の楽しい日々というのも、コーラスには良くわからないが。そこは個性という事で、言及する気も起きない。
「そのうち、連絡でもつけてみるかな……」
 元気ならそれでいい。
 それなら自分は、シイナにバカにされない程度には強くならなければ。
「んじゃー、オレもまた出かけるかな」
 コーラスはひとしきり身体を伸ばす。
「どこに?」
「ギルドの方も大忙しでね。あちこちで出現するモンスターに対応が追いつかないわけよ」
 最近になって、新たに国交を持つようになった国の噂も聞くが、そんな方に足を伸ばしている暇もない。
「そっか。まあ気をつけてな」
「はいよ」

 ほんの少しの立ち話だけで、コーラスはその場を離れた。ソルダムの方も、仕入れでもするつもりなのか、雑踏の中を歩みだす。
 久々の友人との逢瀬とも思えないような短さだが、自分たちはこんな関係でいい。

 コーラスは、露店での買い物を済ますと、再びのモンスター討伐のために、プロンテラの街を後にするのだった。






==椎名の呟き==
一応序章って事で~。
実はシイナ以外のこのお二人、今後しばらく、まったく出てきません;;
一応お話は、私のメインPCであるシイナ中心で進んで行きますので、よろしくお願いいたします。


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