オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

07 Beautiful World ~鋼鉄の都市02-3

2007.10.27

*ROシドクスクエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。


「もう何年前になるかね……あの人はこの辺で良く知られた炭坑夫グループのひとりだったのさ」
 話し始めた女性の眼差しは、どこか遠くを見ているようにも感じられる。当時の思い出を辿っているのだろう。
「とても陽気で豪快な奴らでね。見ているこっちがつられて元気になっちまうくらいの連中だったさ。ところがね……」

 ある時、彼らは見たこともない不思議な鉱石を発見した。
 普通に鉱石を掘り出してそれを卸して金にするのが日課の彼らだったが、そういう新しい発見に喜びを見出す事こそ、彼ら炭坑夫にとっては、この上ない幸福だった。たとえそれが彼らの直接の収入に繋がらなくても、そんな事はどうでもいいことだった。
 彼らは手に手を取って喜ぶ。未知の鉱石。不思議な輝きを持つ、美しい石。
 その鉱石の正体を彼らが知らされることはなかったが、それを自分たちの手で掘り出した、その事実だけが彼らの誇りとして残った。
「ビンデハイムが言っていただろう? その後、彼の仲間のシドクスが、あの鉱物がまた見つかったと言って、ビンデハイムと当時一緒にあの鉱物を掘り出した仲間を誘い出したのさ」
 そこで起こった落盤事故。
 その場に、シドクスの姿はなかった。
「その落盤は、事故ではなかったのですか?」
 嫌なタイミングではあるが、普通に考えればそれは、不幸な事故と言える事件であるはずだ。しかしシイナの言葉に女性はゆるゆると首を振った。
「最初は誰もがそう思った。だが、村の住人の何人かが、その事故の前に、シドクスが怪しい連中と取引している現場を見かけてたのさ」
 大金を約束する。村の人間が聞いたのは、そんな言葉だけだ。そんな聞きかじっただけの話では、それが何の事であるかはわからない。しかし、仲間を誘い出したシドクスは事故当時現場にはいなかったのだ。そして、かけがえのないはずの仲間の事故の直後に彼は姿を消し、その後しばらく、彼を探す外部の人間が村の中をうろうろしていた。
 その一連の出来事によって、村の人々は、シドクスが大金を詰まれて仲間の命を売ったことを知ったのだ。
「どうしてそんな事をする必要があったんでしょうか?」
「それはわからんさね……だが、ビンデハイムがあんなになっちまったのも仕方のないことさ。崩れ落ちた洞窟の暗闇の中で、死にかけたビンデハイムが意識を取り戻したとき、初めて目にしたのは、自分の身体の上に圧し掛かる大岩と、自分とその岩との間に挟まれている仲間たちの遺体だったんだから」
 庇われた訳ではないだろう。多分、そんな余裕は誰にもなかった。だが偶然のなせる業で、仲間がクッションとなって、ビンデハイムは一命を取り留めたのだ。
 シイナはその光景を想像して、微かに眉をひそめた。
「おかしくなっちまうしかなかったんだろうさ。だからあの人があんな風に飲んだくれてても急に叫びだしても、周りは何も言わない。もっとも、とばっちりを避けたいからってのもあるがね」
 どこにでも誰にでも様々な事情があるものだが、この件はなかなか根が深そうだ。あまり深く関わりたくない類のものかもしれないが、どちらにせよ、もう過去の話だ。ビンデハイムとこれ以上話す機会もないだろう。

「でもね、アンタ観光するなら気をつけなよ」
「え?」
「アインブロックで、何年も行方不明だったシドクスを見かけたって噂が立ってるのさ。あそこに行くなら、他の観光客には気をつけたほうがいいよ。……まだ不穏な連中とつきあいがあるならやっかいだからね」
 確かに、どんな理由があるにせよ、金で人の命を摘み取る人間たちだ。殺伐とした世界は慣れっこのシイナであるが、そういう人間がうろつく街の中と、モンスターが徘徊する街の外と、どちらが居心地が悪いだろうと思う。まあそうそう間が悪くない限り、その連中と関わりあいになるとも思えない。
「どうもありがとう。色々参考になりました。ごちそうさま」
 立ち上がったシイナに、女性は表情を切り替えて明るく笑ってみせた。
「ああ。機会があったらまたおいで、坊や」
「はは……」
 苦笑で答えて手を振ったシイナは、アインベフの枯れた木々を見上げながらゆっくりと歩き出した。
「シドクス……鉱石……」
 他人事といえば他人事だし、過去の話といえばそうなのだが、気になることもいくつかある。
 なぜ金で炭坑夫を雇う必要があった?
 謎の鉱物を発見した時にその場にいた人間を限定して殺害を企んでいる。では何故わざわざその場にいた人間のひとりであるシドクスに話を持ちかけたのか。そもそも、何故炭坑夫たちを殺害する必要があったのか。
「謎の鉱物を発見した事と関係している……?」
 その鉱物は、上に取られたと言っていた。炭坑夫はどこかの会社と契約したりしていることも多いから、上というのはそういった会社の事を指しているのだろう。だが先ほどの会話の中では、その会社が何がしかの圧力をかけられたり、窮地に追いやられているという話は聞かなかった。
 では、犯行はその会社の中の組織が?
 いくらなんでも、それは早計すぎる。動機も証拠も判然としない。
 目的がわからない。
 その鉱石が関係しているとして、それを独占するのが目的なのか、それとも大量収穫か、そうでなければ、その存在の隠蔽?

 ――その鉱物とは、一体何だ……?

 そして何故、大金を詰まれて行方不明になっていたシドクスが、アインブロックに姿を現したのか。もっとも、それはまだ噂でしかないのだが。
「……まあ、気にしても仕方のない事だな」
 とりあえずはアインブロックへ戻り、街周辺と外の調査だ。関係ない事に、わざわざ首を突っ込んでいる余裕はない。というか、街に帰ったらとりあえず今日は休みたかった。プロンテラからの長時間移動と慣れない場所での騒動。案外に消耗している事を、じんわりと自覚しはじめているシイナだった。





==椎名の呟き==
うーん……書いている方も頭が混乱するんだから、読んでいる方々はもっとわかりにくいかもしれない……。読みにくくてごめんなさいねえ~(T▽T;)

★『Beautiful World』最初から読みたい方はこちら★


人気ブログランキング参加中!
よろしければポチッとお願いいたします♪
人気blogランキング



コメント
コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

椎名シイ

Author:椎名シイ
 
オリジナル&二次小説、ボカロKAITOやゲーム感想や普通の日記をとめどなく。
一部微妙に腐女子向けかも!

インフォメーション

Twitter

管理人へのメールフォーム

pixiv
pixivは二次創作腐向け小説と絵。ジャンルは雑多。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2017年05月 | 06月
 日  月  火  水  木  金  土
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


訪問者数
ラグナロクTV

このブログ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 © Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. © GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
ブログ全記事表示
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。