オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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17 Beautiful World ~鋼鉄の都市06-1

2008.01.04

*ROシドクスクエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

---6世界を動かす力

 ララクセルズと別れた後、シイナはその足で研究所までやってきた。
 金網や高い塀に囲まれたその施設は、敷地内までは何とか潜り込むことが出来たが、施設内まで侵入するのはさすがに難しい。入り口には識別用のセキュリティシステムがあって、出入りを許されているそれぞれが持つ文字列を打ち込まなければ入り口の扉が開かないようになっている。
 しかしまあ、言ってしまえばそれだけだ。
 陰から見る限り、それさえクリアできればそれ以上の強固なシステムはないように見えるから、そこを通り抜けられれば。もちろん、内部に関する保障はまったくないが。
 しかし、お粗末とさえ言えるそのセキュリティだが、何しろ関係者に与えられている認証用の文字列が、かなり長い。一定の時間内にそれを間違いなく打ち込まなければならないシステムのようだし、それぞれが違う認証文字列を与えられているのだから、それを盗用するのは無理だろう。
 だとしたら、誰かがその認証を行った後に、一緒に入るしかない。
 そうと決まれば早速実行、だ。
 物陰に隠れていたシイナだが、研究所の職員であるらしい人物が認証されて扉が開いたときにそこから飛び出し、大胆にもその人間の真後ろについてそのまま侵入した。

「うん?」

 職員が、シイナの気配に気付いて振り返った。が、振り返った先には、何者の姿もない。不思議そうな顔をした職員は、そのまま首を傾げつつ、廊下を歩いてすぐそばにある小さな扉の奥へと消えていった。
「セーフ」
 誰もいないように見える廊下の空間から、手品のようにシイナは突然姿を現した。
 職員から見て、シイナの姿はまったく見えていなかったはずだ。こんな時のために、姿を消すことの出来るマジックアイテムを持っていて良かった。
 いくら聖職者であっても、シイナ自身がそんな便利な能力を有しているわけではない。モンスター討伐を生業とする人間が多いルーンミッドガッツでは、モンスターが持っている能力を様々なアイテムに封じ込め、それを持つ人間が同様の能力を発揮できるように開発されたマジックアイテムが数多く流通しているのだ。
 シイナが持っていたのはそのうちのひとつで、これを身に付けていれば一定時間姿を消すことができるというアクセサリーだ。ただし姿を消している間は、一歩たりとも身動きができないというデメリットもある。その場から移動することが出来ないので、探索するには姿を現さなければならない。何にせよ注意は必要だ。

 見たところ、侵入するにはセキュリティを通過する必要があるが、内部はほとんどスルー状態らしい。その程度の研究しかしていないのか、そこまでの財力がこの研究所にはないのか、そこまでは判断できないが。


 研究所に出入りする職員が少ないおかげで、シイナが研究所内を探索するのはそう危険なことはなかった。人の気配がするたびにいちいち姿を消す必要はあったから時間だけはかかったが、研究所自体がさほど広い施設ではない。明らかに他と違う大きなドアが最奥にあることも、容易に発見できた。
 最先端のセキュリティを入れているでもなく、施設自体も老朽化が目立つ。
 こんな場所で極秘の研究をやってのけているのだとしたら、機密が外部に漏れないのは、そこに関わる人間自体が少ないということなのだろうか。
 何にせよ、忍び込んでいるシイナには都合が良かったが。
「何かあるとすれば、ここかな」
 シイナはそのドアの前で根気良く待った。

 ややあって、シュン、と音を立てて、自動で開かれるドアが動いた。
 ドアを開いたのが部屋の中から出てきた職員だったから、そこから侵入することは出来なかったが。姿を隠したまま、出てきた職員の背後――部屋の中央あたりに設置されたカプセルのようなものを確認して、シイナは目を見開いた。
 職員でも容易に手を触れられないようにバリケードで囲まれたカプセル。その中に安置されていたものは妖しく輝いていて、それは何かの鉱石のようにも見えた。
「あれは……」
 あれが、例の鉱石なのだろうか。
 もしあれがシドクスたちの言っていた謎の鉱石なのだとしたら、シイナはその鉱石に見覚えがあった。

 あれは。どこかで。いつだった?
 あれは、あれは――。

 ユミルの心臓――じゃないか!

 シイナの記憶にあったその物体は、昔シュバルツバルドの首都ジュノーのキャッスルの最奥に迷い込んだ時に見たものだ。
 何故あれがここに。
 ユミルの心臓と呼ばれるものが正確には何なのか、シイナは知識として情報を持っていない。だがあの神秘的な物体はジュノーでも厳重に管理されている重要なものだ。
 空中浮遊都市ジュノー。あの巨大な都市を空中で支えている動力源が、あのユミルの心臓なのだ。その程度の事ならば、ルーンミッドガッツの人間でも大半が知っている。
 国を挙げて厳重に管理されているはずのユミルの心臓が、何故こんな小さな研究所に運び込まれているのだ。見たところ、ここにあるユミルの心臓はジュノーにあるそれと比べれば欠片ほどにしかならない大きさであるように思えるが、それを持ち込んで、一体何の研究をしているというのか。国はそれを知っているのか?
 使い方によっては、どんな効果を生み出すかわからない神秘の物体。

 多分、間違いない。
 シドクスたちの言っていた謎の鉱石とは、あのユミルの心臓の欠片のことだ。

 シドクスたちが坑道で発見したのがユミルの心臓の欠片で。それが契約会社からあの”彼ら”と呼ばれる連中に渡ったのだとしたら。それが彼らに渡ったことによってシドクスたちの命が狙われたのだとしたら。
 一体”彼ら”は、ユミルの心臓を使って何をしようとしている?
「シドクスさんになら、何かわかるかな……」
 何にせよ、早くこの事をシドクスにも知らせなければ。彼自身は鉱石の正体を知らなかったが、それがわかれば導き出せる答えを持っているかもしれない。
 ここでこうしていてもこれ以上の事を調べ上げることは出来ないと判断して、シイナは研究室を後にした。誰にも見つからないうちに建物から脱出して、急いでホテルに戻らなければ。

 ――一刻も早く、シドクスのもとに。





==椎名の呟き==
ジュノーの城の地下は迷宮でございます。
さっき通った扉を逆から通ると、ぜんぜん違う場所に出る、意地悪な場所です。
迷い込んだ時に元いた場所に帰れなくなって、テレポートも使えない場所だったから、アイテムを使ってセーブポイントに戻ったという思い出が;;

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