オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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20 Beautiful World ~鋼鉄の都市06-4

2008.01.25

*ROシドクスクエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

 駆け寄ってきたララクセルズは、シイナの肩をグイ、と掴んだ。
「ホテルの騒ぎ、見たぞ! なんだよあれは。何があった!?」
 そこまで言ってから、ララクセルズは今気付いたようにアークを見咎める。
「つうかアーク! お前ここでシイナに何してたんだよ!」
 シイナの方から握った手を、どう勘違いしたのか乱暴に振り解くと、ララクセルズはアークを睨みつける。
「あら、あんたの知り合いだったの? 失礼ね、私は何もしてないわよ」
「どうだか! いつも観光客捕まえちゃあ、くだらない料理の説教してるくせに」
「くだらないとは何よ!!」
 旧知の仲らしい二人のやり取りにも割り込めないまま、シイナは呆然とその光景を眺めた。ふいに、強い思いが湧き上がる。

 自分がここにいては、だめだ。
 ここは、自分のいていい場所ではない。

 シイナの身体が血にまみれているのを見て、ララクセルズはアークからシイナへと向き直った。尋常でないシイナの様子に目を細める。
「シイナ、ホテルで一体何があった?」
 当然の質問。
 ホテルでの騒ぎとシイナの格好を見れば、異変が起きたことは容易に理解できるだろう。けれどシイナは、その質問に、真一文字に口を結ぶことしか出来ない。
「――君には関係ない」
 小さなシイナの声に、ララクセルズは目を見張った。
「何?」
「君には関係ないと言ったんだ」
 広場でずっと、いつまた現れるかもわからないシドクスを待ち続けたアーク。そのアークを、シドクスは護り通した。例え二度と会うことが出来なくても、それでもそれが彼を護る事になるならと、シドクスはそれをやり遂げたのだ。

 自分は、何をやった?
 何もしていない。

 アークを守り通したシドクスを、シイナは守ることが出来なかった。何も出来なかった。年老いた彼を庇護することも、すべての謎を解くことも。
 そして今の自分は、関わる者を巻き込むかもしれない爆弾を抱えている。

 人には知られてはいけない事がある。
 けれど人は、そういうものをこそ知りたがるのだ。
 性質の悪い事にそれは、おおよそ自分のためではなく、誰かのために。
 きっと、ララクセルズは知ってしまう。このままシイナがここに留まり続けたとしたら、必ず。しかもそれは、ただ知識として知り得るのではなく、シイナに巻き込まれて、という形になる可能性は高い。
 ここに、自分がいては駄目なのだ。ここにいる人を守りたいなら。

「シイナ?」
 伸ばされた手を、シイナは乱暴に振り払った。
「大したことじゃない。放っておいてくれ」
 誰も寄せ付けようとしないようなシイナの態度に、表情を硬くしたララクセルズはズイと詰め寄った。

「やっぱりアンタ、研究所に行ったじゃないか」

 ギクリと動きを止めたシイナに、ララクセルズはさらに言い募る。
「オレと別れた後、研究所に向かうの見てたぞ。オレが気にしてること、気付いてなかったかもしれないけどな」
「……ッ!」
 気付いていなかったわけではないが、そこまで行動に移されるとは思っていなかった。気のいい奴だとは思ったが、まさかここまでおせっかいだったとは。
「甘く見るなよ! 隠し事して全部ひとりで抱え込んでるみたいだったからさ。シイナが最初に行ったはずのアインベフにもさっき行ってきたよ! シイナが聞いた話も、全部聞いてきたぞ!!」
「――!!」
 全部、知った。
 だとしたら、これ以上はまずい。ここには誰よりもシドクスの事を知らせたくないアークがいる。そしてこれ以上の事を彼らが知れば、命の保障だってできなくなる。
 シイナには、これ以上誰かを犠牲にしないだけの力なんてないのだ。
「もうオレに構うな!!」
 寄るなと言わんばかりに腕を振るうシイナに、ララクセルズは一瞬気圧されたように動きを止めたが、そのままシイナを睨みつけた。そのまっすぐな瞳に、シイナは拒絶の眼差しを叩きつける。
「何も聞くな、何も知ろうとするな! 今ここで、それを一切口にするな」
「シイナ!」
「隠し事をするのは、そうするだけの理由があるからだ! 何の関係もないくせに、これ以上首を突っ込んで余計な事をするな。迷惑だ!!」
「――シイナ!」
「オレに近づくな!」
 もう無理だ。
 これ以上傍にいれば、シイナが嵌まっていったように、ララクセルズをも渦中に引き込んでしまうことになる。それを避けたくても、きっと状況はそれを許してくれない。そしていずれはアークも。それではシドクスが一生を掛けて彼を守り通したことが全て水の泡になってしまう。
 けれど今ここを逃げ出そうとしても、ララクセルズに阻まれてしまうだろう。
 シイナはその場で短い詠唱を始めた。
 地上に渦を巻く、ワープポータルの白い光。
 それに乗ればあらかじめ繋いでおいた場所へと瞬時に移動できる空間移動の場を、シイナはその場に作り上げた。
 とにかくこの場所から離れたい。出来れば、誰もいない場所に。
「クソッ……逃げるなシイナ!」
 ララクセルズがシイナがそれに乗ることを阻むように立ちふさがった。しかしその身体が、ワープポータルの渦に触れる。
「バカ、そこは……」
「うわ……!?」
 彼が一瞬にして掻き消えた。
「ララクセルズ!!」
 彼はポータルに乗って空間移動してしまった。しかし、その移動先がまずすぎる。
「このバカ……ッ!!」
 ララクセルズの後を追って、シイナも急いでポータルの渦の中に入った。





==椎名の呟き==
シイナさん、人はそれを闇ポタというのです(違)。

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