オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

24 Beautiful World ~鋼鉄の都市07-4

2008.02.22

*ROシドクスクエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

「おい、シイナってば」

 シイナを追いながら、ララクセルズはその背中に呼びかける。
「行くって、どこに行くんだよ?」
「ここは人が多すぎる。誰もいないとこ」
「……」
 全てを話してくれるつもりなのだろうと、理解する。
 それならば、スタスタと歩くシイナの後ろを、ララクセルズは黙ってついていくしかない。そうでなくとも初めて訪れた街で、右も左もわからないのだ。

 シイナは人の多い街中を抜け、おおよそ人影の見えなくなった草原をひたすら歩いた。景色は夜の闇に溶け込んでいるが、シイナにとっては知りすぎているくらいの地理だ。ゲフェン付近の平地を歩いていけば、ほどなくミョルニール山脈を見渡せる場所に着く。そこなら滅多に人が通りかかることはない。

「この先に展望台がある。奢ってもらった礼に、ゲフェンの展望台を見せてやるよ。まあ有料ではないんだがね」
 深い谷に掛けられた石の通路を渡っていけば、谷とその向こうにそびえる山脈を一望できる展望台がある。深い水を湛える谷に浮かぶように設置されている展望台に立つと、まるで空を浮遊しているように感じられる隠れた名所だ。
 その美しさに、ララクセルズは目を奪われた。

 あまりにも、違う。
 ララクセルズの知っている生まれ故郷の風景は、いつも錆の色だった。
 轟音と煙で人々の安息の場は狭まり空までもが赤く染まっているように見えた。屋外ではマスクなしでは呼吸もつらいような、そんな、鋼鉄の街。
 彼にとってもちろん、そこは愛すべき、住み慣れた故郷に変わりはないけれど。

 この土地は、生まれて育ったアインブロックとは、雲泥の差だった。平地には草が生え、花が咲き誇り、こうして谷に差し掛かれば美しい湖と谷川の向こうには、色鮮やかな山脈の自然が目に飛び込んでくる。闇に沈むそれらも幻想的なまでに美しかったが、これが昼間だったら、太陽の光をうけたこの場所は、どれだけの輝きを放つことだろう。
 何よりも、空気がこの上なく奇麗だった。吸い込む空気を美味いなどと感じる瞬間が来ようなどと、思ってもいなかった。

「奇麗な場所だな」
 ララクセルズの心からの言葉に、シイナも頷く。
「うん。ここは特にそうだと思う」

 シュバルツバルドにだって美しい場所はいくらでもあるとは思う。アインブロックの向こうにあるといわれているリヒタルゼンの街などは、街のあちこちに花壇が溢れている色彩豊かな場所だと聞く。シイナもララクセルズも、そこに行ったことはないが。
 シイナは展望台に設えられたベンチを手で指し示した。
「座りなよ」
 言われるままに、ララクセルズはそこに腰掛けた。シイナもその隣に座る。
「さっきの人。シイナの上司?」
 その質問に、シイナは苦笑する。
「上司……まあそうかな。一応聖職者をまとめている人ではあるね。オレたちにしてみれば厳しい姉か母のような人だ」
「何も報告することがないって……」
 シイナが出遭った事件の事を言わなくていいのかと、そんな意味をこめたララクセルズの言葉に、シイナは静かにため息をついた。
「時期尚早。今回の件は、何が絡んでいるのかわからない。関係しているのが個人なのか、あるいは国そのものなのか」
 シイナのその言葉に、ララクセルズは息を呑んだ。

 国が、絡む?

「今この瞬間にプロンテラに報告するべきものなのか、そうでないのか。その判別が付かないんだよ。もしもシュバルツバルドの国自体が認知している問題なのだとしたら、オレじゃなくても誰かが陰で動いている可能性だってある」
 もしもそれが国を挙げる重要事項なのだとしたら、それを知ったシイナやそれを知らされた大聖堂やプロンテラ、全てがどんな風に渦中に巻き込まれていくのか、計り知れない。ルーンミッドガッツそのものが、すでに関わっている可能性だって無くはないと、シイナは考えていた。
「オレが関わっているのはね。そういう事なんだ」
 それを踏まえたうえで聞いてくれと、シイナは念を押す。
 ララクセルズが頷くのを見て、シイナは重い口を開いていきさつを話し始めた。





==椎名の呟き==
展望台、あまり近づいてないなあ。
だって、一人で行くには、あまりに空しいデートコースなのですよ(笑)。

★『Beautiful World』最初から読みたい方はこちら★


人気ブログランキング参加中!
よろしければポチッとお願いいたします♪
人気blogランキング



コメント
コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

椎名シイ

Author:椎名シイ
 
オリジナル&二次小説、ボカロKAITOやゲーム感想や普通の日記をとめどなく。
一部微妙に腐女子向けかも!

インフォメーション

Twitter

管理人へのメールフォーム

pixiv
pixivは二次創作腐向け小説と絵。ジャンルは雑多。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2017年05月 | 06月
 日  月  火  水  木  金  土
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


訪問者数
ラグナロクTV

このブログ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 © Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. © GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
ブログ全記事表示
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。