オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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28 Beautiful World ~小さな恋のものがたり01

2008.04.30

*RO恋人クエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

 ララクセルズはいつものように、空港前の街道に立つ。
 ここに立って、空港から出てくる他の土地から来た人間にアインブロックの街の案内をするのが、彼の仕事だ。
 今日は観光客も少なくて、正直かなり暇である。
 ルーンミッドガッツの国と飛行船で直接行き来できるようになった当初は、好奇心に駆られた観光客たちが大挙して押しかけてきたものだが、月日と共にそういった観光目当ての客もほとんど見かけなくなり、今では何がしかの用事のある者がちらほらと姿を見せる程度になった。
 平和な日常が戻ってきたと、喜んでいいものやらどうやら。

「ララクセルズ、交代だぞ」
 案内員を務める職場の仲間が、空港の建物の中から姿を見せた。
 昼食の交代時間になっていたらしい。
 それじゃあよろしく、と持ち場を離れかけて、ララクセルズは足を止めた。視界の隅、街道の遥か向こうに、見知った人物のシルエットが見えたような気がしたからだ。
 視線を向けてみれば、走ってくるその人物は思った通り、彼の同居人であるシイナだった。
 時々シイナはララクセルズの休憩時間に合わせて一緒に昼食を摂りに来ることがある。アインブロックの住人としてはありえない、冒険者などという自由業だけに、比較的時間を好きなように使えるのだ。もともとシイナはアインブロックの出身ではないから、多少存在が特殊なのは仕方のない事だろう。
 今日も暇つぶしがてら、飯でも食いに来たのかなとララクセルズは思ったが、今日のシイナはどうもそれっぽい雰囲気に見えない。街道を全速力で走ってくる彼は、まるで何かから逃げているかのようにも見える。
 どうしたんだと問う間もなく、全速力の勢いのままシイナはララクセルズの袖を掴み、ぐるりとその背後に回った。
「助けろララクセルズ!!」
「は?」
 やってくるなり、何を言うのか。
 というか、助けろって、一体何からどうやって?
「シイナさーん!」
 シイナから遅れること数百メートル、長いドレスの裾を引っ掴んで駆けてくる女性を見て、ララクセルズは仰天した。

 あれは、カペルタ家のお嬢さんじゃないか。

 カペルタ家といえばアインブロックでも有数の資産家で、その家の一人娘のカーラは、アインブロックで知らない人間はいないのではないかと言われるくらいの有名人である。深窓のご令嬢である彼女は、滅多に外に出て来ない事でも有名だ。家人が厳しく見張っていて、この数ヶ月間、満足に外出もさせてもらえないらしい。
 その彼女が何故、髪振り乱しシイナを追いかけているのか。
 そういえば最近、外で彼女を見かけたという人間の話を聞いたような気もするが、実物を見たのはこれが初めてだ。いや、彼女が家から出なくなってから、という意味ではあるが。
 自分の背中にピタリと張り付いて身をかがめているシイナ、それで隠れているつもりなのだろうかと一瞬その行動のセンスを疑ったララクセルズだが、どっこいシイナを追いかけてきたカーラは、可愛らしい顔を真っ紅に染めながら、息を切らしつつもそのまま街道を走り去ってしまった。
 世間知らずのお嬢様は、すっかり前しか見えていなかったらしい。
「……何なんだ、一体」
 ララクセルズは、駆け抜ける彼女を呆然と見送ることしかできない。
 縮こまっていたシイナが、やれやれといった体で身を起こした。
「参ったな、もう……」
「一体何やったんだよ、シイナ」
 ララクセルズの疑問はもっともだが、その言葉にシイナは心底心外だという表情をしてみせる。
「人聞きの悪いこと言うなよ。オレは別に何もしてないよ……っていうか、したにはしたけど、おかしなことやって追いかけられてるわけじゃない」
「じゃあなんで」
 シイナはハア、と深いため息をついた。
「ちょっと前にさ、彼女の恋人のことで世話したというか何というか」
「恋人?」
 うん、と頷いたシイナは、心底複雑そうな、困った表情を見せてララクセルズを見た。





==椎名の呟き==
ROシリーズ、一応前作までのお話の続きとなっております。
今回は短めの連載なので、まったりとお楽しみ下さいね。

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