オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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33 Beautiful World ~小さな恋のものがたり06

2008.06.04

*RO恋人クエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

 数時間後、シイナは大量の石炭を抱えてカペルタ家を訪れていた。

 何が悲しくて、バカでかい袋を背負ってここまで来なければならないのか甚だ謎だったが、乗りかかった船だ。おせっかいな性格が災いした。
 しかしこれでもまだ、クルトが集めた数のほんの一部だ。
 シイナはクルトに、これをカペルタに見せて許しを請えと、そう助言したのだ。何の努力もしていないわけではないと、カーラのためを思って続けていることがあると、それをちゃんと知らせて、認めてもらう必要がある。勿論それだけで許されるわけはないだろうが、ほんの少しでも活路を見出さなければ、その先はありえないのだ。
 しかしクルトは激しく首を横に振るだけだった。
 とてもそんな恐れ多いことを出来るわけがないと。
 彼にとってどれだけ厚い壁が存在しているのかは知らないが、求められているのは、そこを突破する勇気なのではないか。何のためにこれまで地道な努力をしてきたというのだ。カーラの助けにさえなればそれでいいと思っているのかもしれないが、本当にそれだけでいいのか。何よりも、カーラの気持ちはどうなる?

 結局シイナはクルトに頭を下げまくられ、これらを持っていくのならシイナさんが持って行ってくれと、無理やり石炭を渡されてしまった。
 それではまったく意味がない。


「バカバカしいことをしているとは思わないのかい?」

 カーラの母の第一声は、それだった。
「……バカバカしいです」
 シイナもそう答えるしかない。
 カペルタ家が今この時に資源に困っているわけではないし、こんな人の手で持ってこられる量だけを持ち帰っても、まるで無意味だ。努力の証拠品として手で持ち帰るなら、それはシイナでは駄目なのだ。
「けれど、これが彼に出来る精一杯なのでしょう。その日食べるものにも困っているような彼が、それでも必死に資源を保存しておいたのは事実です」
 だからシイナも、自分に出来るだけのことをやった。これで許しが請えるかどうかはわからないし、自分がそれをするつもりもない。だが、事実を事実として伝えておくことはしたかった。
「確かに彼は行動力と勇気に欠けます。私の話も、結局は聞き入れてもらえなくてこの様です。ですが、だからこそ彼には打算がないんです。これらを集めて献上してご機嫌を取ろうとか、そういう事を微塵も考えていない。この家で何かあったときに役立てればと、それだけを考えて」
 その時こそは、クルトは何の躊躇もなしにこの家の扉をくぐるつもりでいるのだろう。
 全て、カーラのために。

「ハン。冴えない男だとは思っていたけど、ここまでバカだったとはね」
「……」
 腰に手を当てて仁王立ちの姿勢をとったまま、彼女はシイナを睨みつけた。
「……そのバカに、伝えな。今度はそれを、自分で持って来いとね」
「えっ……?」
「そうすれば、せいぜい家に上げてやらないこともないさ。家に上げてやるんだから、カーラとも少しは話もできるかもしれないね」
「カペルタさん……」
「だからといって、付き合うのを許すのとは別の話だがね!!」
「……」
 シイナは呆然と、彼女を見た。
 こんなに、あっさりと。
「私は怠け者が嫌いだと言ったろう。ちゃんと努力をしているなら、その部分を評価するのは当たり前のことだ。誠意は見えなきゃわからないんだからね」
 相変わらず、人を見下すような視線は変わらない。けれど。
 今回シイナが石炭を持って帰ったから、だけではないだろう。多分彼女は、クルトの努力と勇気をずっと待っていたんじゃないだろうか。
 アインブロックの、アインベフへの偏見は根強い。だからこそ、それを乗り越えてでもカーラを思い続け、それを見せてくれるクルトの強さを。

「……伝えます」
 シイナは深く、頭を下げた。
 これで許しが得られたわけではない。けれど、伝えた気持ちをちゃんと受け止めてくれる人なのだから、ここからスタートすることはできる。
 あとは、クルト次第だ。
 カーラとふたりで。
 彼が一歩を踏み出す勇気を持てたら、きっとその先に道は開けるだろう。
 それほど大した事をしたわけではないけれど、小さな架け橋となる事はできたらしい。

 自分に出来るのはもう彼らを見守ることだけなのだと、シイナはそう思った。





==椎名の呟き==
シイナ、石炭の配達しかしてませんが(笑)。
実際はバイオリンを届けたりとか、もっと色々大変でしたよ。石炭用意したのもクルトじゃなくてシイナというか、BSのソルダムでしたしね!

アンド、わかる人にしかわからない余談。ホント関係ないですが。
ドメスティックバイオレンスって、陛下そんなあなた。それは既にあなた方が夫婦であると自分で認めてるって思っていい台詞なんですね? 今更ですかそうですか。
さとマ小説より(笑)。

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