オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

34 Beautiful World ~小さな恋のものがたり07

2008.06.11

*RO恋人クエストにつきネタばれ有り、ご注意願います。

 こういう訳だったんだと。

 空港のロビーを歩きながらかいつまんで状況を説明するシイナに、ララクセルズは首をかしげた。
「話はわかったよ。それでどうして、シイナが彼女に追いかけられるんだ?」
 もっともな質問ではあるが。
 ハア。ため息ひとつ。
「そのときに彼女がすごく喜んでさ。お礼に何かって申し出てくれたんだけど、彼女が出来ることってことで、秘伝のマッサージだかなんだかってのをやってくれたんだ」
 ララクセルズは目を見張る。
「また突拍子もない礼だな」
「カペルタ秘伝とかでさ、工場での重労働には特に効くっていう凄いヤツだったらしいんだけど」
「はあ……」
 カペルタの工場で働いている人間は、あの家人のその恩恵を受けているという事だろうか。カーラならいいが、その母親だとアレかもしれないな、と、母と話したこともないくせに、ララクセルズは暢気に考えていた。
「それで今日偶然会ったらさ、外出を許されるようになったって言って、それはまあいいんだけど、もう一度お礼を、とか言い出して、マッサージしようとするんだよ……」
 だから逃げてきたと、シイナは情け無い形相で呟いた。
「何で逃げるんだ?」
 何だかうらやましい話に聞こえなくもないのに。
「痛いんだ! 物凄く! しかも、うら若き乙女に全身身包みはがされて、背中から圧し掛かられるんだぞ!!」
「ぶっ」
「笑い事じゃない!」
 ほぼ全裸にされて腰の上に跨られた挙句に、悶絶する痛みをこれでもかというほどに与えられた。しかも横目で眺める母親付きだ。彼女の目もあって、娘を振り払って逃げる事も叶わない。今その光景を思い出すだけでげんなりしてしまう。それだけ無茶をされても翌日にもみ返しが来なかったことだけは、さすがというべきかもしれないが。
「でも効き目はあったんだろう?」
「そりゃそうだけどさ……」

 話しながら空港の休憩所を目指していた二人だが、シイナがふと立ち止まった。
「……ヤバ」
「え?」

 カーラにでも見つかったのかと思って辺りを見回したララクセルズだが、それらしき人影は見えない。空港の利用客もまばらで、目立っているのはどこかそわそわしている空港の荷物管理人の姿くらいだ。
 と思っていたら、その管理人の視線がこちらへと向けられた。
 なぜかシイナが隠れようとするが、遅かったようだ。
「シイナさん!!」
 なんだなんだ。
「キリシュさん! 今日はちょっと忙しいんで、ジュノーまで行っている余裕はありませんから悪しからず!!」
「ええ!? でもだって、またカシスからの弁当が届かないんです! また材料不足で彼女が困っているのかと思うと、僕はいてもたっても……」
「今日は却下! ほら彼女直伝のパンあげるから! 今日はこれで我慢して!!」
 言うが早いか、シイナは手に持っていた紙の袋をキリシュと呼ばれた男におしつけた。
 ララクセルズには、わけがわからない。

「シイナ? キリシュと知り合いだったのか?」
「シイナさん、ララクセルズと知り合いだったんですか」

「あーもう!」
 頭を抱えるシイナを尻目に、キリシュはララクセルズに向かって目を爛々と輝かせた。
「シイナさんにはカシスのことで世話になったんだよ!」
「カシスって誰」
「知らないのか!? ジュノーから僕にいつもパンを届けてくれる友達だよ! ジュノーでパン屋をやってる!!」
 知らない。というか話したこともないくせに、何をひとりでハイテンションになっているのか。最近空港の荷物管理係に配属になったキリシュとは、そんなに長い付き合いがあるわけではないが、こんなにハキハキと明るい彼は初めて見る。
「……シイナ?」
「……ジュノーに行こうと思って空港に来た時にさ……彼女からの弁当が届かないんで、何か病気にでもなっていたらどうしようって話をきいて、様子を見てやったことがあるんだよ……」
「彼女だなんてそんな!!」
 ……やかましい。
「そしたら彼女、材料不足でパンが焼けないとかでえらく落ち込んでて、その時調達してきてくれと泣いて懇願された材料が、ミルクとチーズとクリームとフライパンを各50個……」
「……」
「あの時は助かりました!!」
「もう二度とゴメンだ!!」

 ……全部、集めたのか……。

「あっ、シイナさん!」
 シイナはララクセルズの腕を掴んでクルリときびすを返した。
「ララク、外で食べよう」
「うおっと、おいおいおい!」
「シイナさーん!!」
 キリシュはシイナを呼び止めようと叫ぶが、職務中はその場から離れられない。
 強引に腕を引かれて走りながら、ララクセルズは呆れ顔で天を仰いだ。

(お人良し……)





==椎名の呟き==
キリシュとの絡みは、実は食パン(口にくわえる事のできる頭装備下段アイテム)を作るクエストの一環であります。キリシュと話さなくても、ジュノーにいるカシスと話すだけでクエスト開始になるんですが、その前にキリシュと話をしておいた方が、クエストの内容に深みが増すという(笑)。
アインブロクにいる色男のためにと思って奔走していたら、気付いたらパンが出来上がっていたんで驚きましたよ。
ああ、これアイテム作成クエだったのか! と(笑)。

★『ちいさな恋のものがたり』最初から読みたい方はこちら★
★『Beautiful World』最初から読みたい方はこちら★


人気ブログランキング参加中!
よろしければポチッとお願いいたします♪
人気blogランキング



コメント
コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

椎名シイ

Author:椎名シイ
 
オリジナル&二次小説、ボカロKAITOやゲーム感想や普通の日記をとめどなく。
一部微妙に腐女子向けかも!

インフォメーション

Twitter

管理人へのメールフォーム

pixiv
pixivは二次創作腐向け小説と絵。ジャンルは雑多。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2017年06月 | 07月
 日  月  火  水  木  金  土
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


訪問者数
ラグナロクTV

このブログ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 © Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. © GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
ブログ全記事表示
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。