オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.16 コーラス・ブレイド ~似てない兄妹

2007.01.04

「そういえば、君たちはどこに行くんだ?」
 酒場でパンの盛り合わせなんぞをシイナと取り合いつつパクついていたら、ディク先生に会った。まあ先生の家の真下にある酒場なんだから、会ってもおかしくはないんだけど。
 どこにと訊かれて、シイナがオレの顔を見る。詳しい行き先はオレしか知らない。
「この街の西の森を抜けてエンデリックまでね。ちょっと武器を叩きに」
 この街はまだポーラスの一部だけど、エンデリックは違う自治区になる。
「武器を叩きに? なんだ。かけおちの最中か何かかと」
「ブはッ」
「吐き出さないで、コーラス!」
「男女ふたりで森の中、なんて、身内か恋人同士くらいじゃないか? 旅行にしては軽装だったし、だからてっきり」
 かけおち中の女性は槍引っさげてないと思うよ。
 と、シイナがふと俯き加減になった。
「実は私たち、兄妹なんです」
 似てねえ兄妹だな、おい!
「似てない兄妹だな」
 まんま言われた。そりゃそうだ。
「実は母親が違うんです。私は父の妾腹の子で、そのせいでこれまでずっと離ればなれで暮らしてたんですけど、父もそれぞれの母も次々と他界してしまって、やっと何日か前に再会できたばかりなんです。けれど、再会を喜ぶ暇もなく兄が違う地区まで出かけなければならないと言うので、じゃあ一緒に旅をして親睦を深めようと、こうしてついてきてしまったんです」
 もう少し、マシな事を言えないか、シイナ。
「そうか。大変だったようだね」
 もう少し疑ってくれませんか、ディク先生!!

 世話になった人に嘘をつくってのもアレな感じなんだけど、いきさつや理由を最初から説明するのはかなり面倒というか複雑というか。オレのことはともかく、白の塔のこととか公にしていいものかどうかも迷うしなあ。
 ハンター仲間、とか言ってしまうには、シイナが資格持ってないし。

「エンデリックに武器を叩きに……もしかして、ソルダムの工房か?」
「ええ!?」
 いきなり知っている人物の名前を出されて驚いた。
 まさに今、向かおうとしているのは鍛冶屋ソルダムの工房だ。
「ディク先生、ソルダム知ってるの?」
「実は、彼と私は生き別れの姉弟でね」
「えええええ!?」
「嘘だよ」
 ニヤリ。人の悪い笑みだ。
 ああ、バレてますね、さっきの嘘……。
「私は鍛冶屋が必要とする薬品も扱っているし、私が使用する金属類も鍛えてもらっているしね。持ちつ持たれつで長い付き合いだ」
 これは驚いた。
 確かにここからだとエンデリックはそう遠くないし、むこうとこの街で知り合い同士がいても全然おかしくはないんだけどさ。
「そうか、ソルダムのところに行くのか」
「でも、すぐには無理っぽいんだけどねー。ここで食料買い足しときたいし、何かと要りようだから、あと何日か稼いでからじゃないと」
 解毒剤、宿代に匹敵する金額だったよ、ディク先生……。
 自業自得だけどね。ええ、自業自得なんですが。
「ふーん……」
 ディク先生、ちょっと視線を彷徨わせた。
「彼のところに行くのなら、少々使いをお願いできないかな。その代わり、行程に困らないくらいの報酬は出そう」
「え、いいの?」
「いいも何も、使いを頼むんだから当然じゃないか」
 そりゃそうだけど。
 でも何かオレたちに都合がいいような。
「彼のところに薬品をいくつか届けなければならなかったんだが、ちょっと仕事が終わらなくてね。風邪薬に必要な材料を採りに行った先で、旅人が笑い転げていたものだから」
 それはオレたちのことですか……。
「代金はもらっているし、急ぎじゃないからゆっくりでいい。それとついでに彼のところでイエローストーンのグラスセットを買ってきてくれ」
 土産依頼再び。
 何ゆえイエローストーンのグラスセット大人気。
 中央ギルドのおねーさんは、前に土産で持って行ってやったらえらく気に入ってしまったようなんだけど、もしかして何気に女性に人気アイテム?
 ソルダム、食器屋に転職した方がいいんじゃないか。

 にしたって、急ぎでないならわざわざオレたちに頼まなくてもいいような気もするんだけどな。
 もしかして、金のことで気を遣ってくれたのかな?
「まあ今日くらいゆっくりすればいいだろう。あとで金を取りに来てくれ」
 質問する間も与えずに、ディク先生は踵を返して酒場から出て行った。

「助けられたな」
 シイナがポツリと呟いた。オレも頷く。
「うん……まあね」
「薬代の出費は自業自得なのにな」
 それは一応お前も同罪だっつーのー。




==椎名の呟き==
ディクも実は、昔椎名がゲームで使用していたキャラの名前です。
コーラスたちとは違いますが、郵便やメールを使ったネットワークゲーム(通称PBM)の中で動かしていた雄々しき女性薬師ですw<まんまだ
ついでに言うと、外見のモデルは某吸血鬼漫画のインテグラ様ですw

★『コーラス・ブレイド』最初から読みたい方はこちら★


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