オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.17 コーラス・ブレイド ~真夜中の変な生き物

2007.01.05

 明日になればディク先生からお小遣い(違う)がもらえるから、この街に留まるのも今日までだ。ディク先生の家に寄ってから出て行くから、そんなに朝早く出るわけじゃないけど、とりあえず旅に備えて早めに休むことにする。
 ディク先生の家の道向かいに宿があるから便利だ。っていっても、狭い街だから宿だの酒場だの食事処だのが隣接してるのは当然か。

 いつの間にか自称兄妹になっていたオレとシイナ、当然宿でも節約のために同じ部屋に詰まっているわけだけど。
 奥の壁側のベッドの上でスポーンとシャツを脱ぐシイナに、思いっきり宿の部屋着を投げつけて、慌てて窓のカーテンを閉める。相変わらず自覚に欠けてる男女め。
「次の森を抜けるのに、どのくらいかかるんだ?」
 ひょうひょうとそんなことを訊いてくるシイナは、そんなオレの態度にはお構いナシだ。
「急がないで行っても、明後日の昼間には街に入れるんじゃないかな」
 途中で妙なキノコとか食べなければ。
 シイナはふうん、と頷いた後、すぐにゴロンとベッドに寝転んで上掛けを被った。
「じゃあキノコは食べないようにしないと、な……」
 オレの考えてたのと同じことを呟きながら、早ッ、もう寝てる。
 温泉で一度たぬき寝入りしてたけど、こいつの寝つきのよさは実際一級品だよな。寝つきと寝起きがいい体質ってのは、何かと重宝するモンだ。
 オレもさっさと寝よう。


 多分、深夜だと思う。
 何となく目が覚めた。月明かりが眩しいからかな?
 カーテンの隙間から漏れる小さな光を何となく目で追いかけたら、奥のベッドに横たわるシイナが視界に入る。
 うん?
 よく目を凝らしてみたら、シイナは布団に芋虫状にくるまったまま、目を開けてこっちを見ていた。
 あれ、起きてるのか?
 どうかしたのかと思って名前を呼ぼうとして、オレの全身が凝固した。

 ジッとオレを見つめていたシイナが、声も立てずに笑ったのだ。
 ニッコリと。

 キモッ!! ていうかキモ!!!

 ただニコニコと微笑んでいたシイナは、そのまま何も言わずに目を閉じて、再び眠りについてしまった。ようだ。
 ナンだ? 何ですか?
 一体……何の嫌がらせだ。
 オレは起き上がる力も抜けたまま、シイナに背を向けて寝返りを打った。
 何の嫌がらせって、そんな身体を張った嫌がらせをされるほど、なにかやったっけな? というか、それでシイナに何の得があるって言うんだ。性格上謎の多いヤツではあるけど、にしたってどうにもこうにも理解できない。
 オレ、変な夢でも見てるのかな? それともアレか、シイナが変な夢でも見て、おかしな寝ぼけ方でもしてたってか? そうか、その線が有力か。
 グダグダと思考を巡らせつつ、オレは自分の意識を眠りの方向へ持っていくのに、全精力を注ぎ込むことになった。


「……シイナさー、昨日、夜中起きてた?」
 起き抜けで、ついつい、それとなく訊いてしまった。
 だって、あのキモさはハンパじゃない。寝ぼけてたんじゃなければ、何かの企みがあるとしか思えない。
 当のシイナは、キョトンとオレを見る。
「夜中? 別に一度も起きてないぞ。今お前を叩き起こす直前まで」
 起きてすぐにオレをベッドから叩き出したのか。寝つきもいいが、寝起きも凄まじくいいな、やっぱり。
 じゃなくて。
 てことは、やっぱり寝ぼけてたのかな? にしても、一体どんな状況であんな妙な行動に至るんだ、この男は。
 よほど変な顔をしていたんだろう。シイナがオレの顔を覗き込んできた。
「何かあったのか?」
「あー、いやー……あったというか、いたというか」
「いた? おかしなものでも侵入してきたのか? オレは気付かなかったぞ」
 いやまあ確かにおかしなものだけど、侵入してきたんじゃなくて最初からいたんで、お前は気付かなかったと思うよ、うん。
「いや、なんか笑って……いやいや、でかいネズミかなんかだと思うよ、多分」
 すまん、ネズミ扱いしてしまった。
「ネズミが笑って? お前、寝ぼけてたんじゃないのか」
 寝ぼけてたのはお前だろー。
 いや、やっぱりオレが寝ぼけてたのかな……? なんかもう自信がなくなってきた。
 まあいいや。なんかシイナいつも通りだし、気にしてても仕方が無い。オレかシイナが寝ぼけてたってことで。
「なんでもないない。さて、さっさとディク先生のとこにいって、出かけようぜ」
 ブイブイと手を振って話を切り替えると、訝しげな顔をしていたシイナもとりあえず納得したように頷いた。

 変な生物の事は忘れて、明日にはソルダムの工房だ!
 多分。





==椎名の呟き==
こうして見る限り、コーラスの普段のシイナ像って、結構酷いんじゃないでしょうか(そんな他人事みたいに)。
さて、シイナの謎の微笑みのワケは。

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