オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.19 コーラス・ブレイド ~額と額で

2007.01.08

 ひとりの旅路は、なかなかに静かだ。
 シイナと知り合ってまだそう長い訳じゃないし、道中ヤツがそうやかましい訳でもないんだけどね。
 でもひとりだからつい、なんてのんびり歩いていたら、想定外に道がふさがっていたりなんかして、迂回してたら予想以上に遅れてしまった。夕方になってやっと、エンデリックの街が見えるか見えないかって地点だ。シイナがオレのいる場所に飛んで来るって打ち合わせで良かった。うっかり先を行かれちまうところだった。
 そろそろ、あいつも追いついてきて良い頃なんだけどな?
 なんて、思っていたら。

「コーラス……ッ!!」

 切羽詰った声に、えっ、と振り返ったその瞬間。

 ゴ―――――――――――――ン。

「ガハ……ッ」
 何かが、オレの額を直撃した。
 それは、空から降ってきた人間の、というかシイナの額。
 人間ミサイルかという勢いで、直立不動のまま斜め上方から突き刺すように飛来した人間の威力は凄まじかった。なんつうか、この角度を時計の針で表すなら、二時半ちょうど、くらいな? オレが長針で、シイナが短針ね。
 なんて。なーんて。
 冷静に角度分析なんて脳内で巡らせながら、俺の身体は、後方へと倒れ込んで行った。と思われる。
 それはさながら安っぽい喜劇のように、スローモーションで(オレ感覚)。
 あはははははは。何故笑う。しかも思考の中だけで。で。

 ――暗転。


「……さん」
 声が、聞こえる。
「しっかりしてください……大丈夫ですか? コーラスさん!!」
 どちらさまですかー。すごく知ってる声に似てるんですけど。
「コーラスさん!!」
 振らないで。頭を打った人間を揺す振らないでー。
「起きて下さい!! こんなところで死んじゃ嫌ですー!!」
「し、死んでない、死んでないって」
 力を込めて瞼を開く。うおお、目の上の辺りが……痛ぇ。ガンガンする。
「コーラスさん!!」
 ようやく目を開ければ、なんだかもう辺りは夕闇。まあ日は暮れかけてたから、それが沈むのなんてすぐだけど。
 多分さっきの衝撃で昏倒してたと思うんだけど、そう長い時間でもなかったみたいだ。
 ていうかシイナ?
 シイナが涙目になって、オレの襟元を引っ掴んでいる。
「コーラスさん! 大丈夫ですか!?」
「あんま大丈夫じゃない……て、シイナ?」
 なんかさっきから、お前おかしくないか?
「良かった……こんなところでひとり果てられてしまったら、私もう、どうしていいか……」
 果てるってお前な。
「つかシイナ、なんでお前変な言葉遣いしてるんだ? 誰か他に人がいる?」
 見回しても、辺りに人影はない。

「あの……あのッ、私、シイナ様ではないんです……」

「はあ?」
 頭ゴッツンした衝撃でどうにかなっちまったか。それともオレ同様気でも失って、その隙に変なものにでもとり憑かれたか。そんな前例は聞いたこともないけど。
「あの、私……私は、シイナ様にこの身体を提供した者……です」
 ……へ?
「三年前の、事件の折に……」
「ナンだって!?」
 あの、シイナが自分の身体を追い出されたときにシイナをその身体に引き込んだっていう、えーと、白の塔のマスターの世話係!?
「うそ!? だって、その人ってもう亡くなったんじゃ」
 ていうか、シイナ、オレをからかってるんじゃないだろうな?
「私もそのつもりで、シイナ様をこの身体に呼び寄せたんですけど……すぐにシイナ様が治癒の魔法を使われたせいなのか、原因はわかりませんが、私自身もこうやって生きたままで」
「だって、そんなことが可能なの? ふたりでひとつの身体……なんて」
「私の知る限り、前例はありません」
 そうだろうよ。もっとも、オレだって魂の秘術なんてものがあることすら、シイナに会うまで知らなかったんだから。
「私の意識がこうやって戻ったのも、つい最近なんです」
 あ、そうなんだ。
「私の意識が目覚めるのは、必ずシイナ様の意識が無いときで、それも必ず毎回というわけではありません。何かの拍子に、といった感じで」
「あーうーん? ふたりの意識が同時にあるわけじゃないんだ?」
「はい。シイナ様の活動中は、私の意識はありません。ただ私が目覚めたときには、それまでのシイナ様の記憶が私の中に流れ込んでくるので、何があったのかを記憶として知ることはできます。だから、あなたと出会ったことも」
「え、でも……待って、わからなくなってきた。シイナはそのこと知ってる?」
 知ってたら、オレにあんな説明しないと思うんだけどなあ。
「知りません。私が私として誰かと接触したのは、シイナ様に身体を差し上げてからはこれが初めてですが、これまで私が意識を取り戻したときの僅かな時間の記憶も、シイナ様には残っていないようなので」
「……なんでだ?」
「わかりません……元が、私の身体だから、でしょうか?」
 どうしてこんなことになってるんだろ? ふたりでひとつの身体に、なんて、無理があるもんなんじゃないのかなあ? それとも案外平気なもんなのか?
「おっしゃりたいことはわかります。だから……やっとお話できたから急ぎで申しわけないのですが、お願いしたいことがあるんです」
 彼女は眉をひそめて俯いた。

「お願いしたいこと?」
 なんか、結構深刻そう、だなあ?





==椎名の呟き==
もう自分でもどうコメントしていいやらわからなくなってきました。
なんか、何を言ってもこの先のネタバレに繋がってしまいそうだし(苦笑

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