オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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咎狗の血 源アキSS 【 ふたり 】

2010.09.26
勢いというか気まぐれで久しぶりに書いてみた、二次小説です。
咎狗ではきっと源アキしか書かないワタクシ(笑)

えーと、なぜかリン視点、源泉の出てこない源アキです。謎。
つうかアキラですらほとんど動いていない。本当に源アキなのかこれ。
リン→アキラではないです。
まあ、私の書く話なので、当たり前に幸せ。

BL二次小説、そしてネタばれにも引っかかるであろう、なので下げます。
このジャンルのダメな方はご注意を!

※SS自体は18禁ではないです。

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
【 ふたり 】 -咎狗 源アキSS



 内戦終結から数年。
 大分涼しくなってきた頃に、落ち葉の舞う通りでリンとアキラがお互いの姿を見つけたのは、偶然以外の何ものでもなかった。

 源泉とアキラがセットでいたのには驚いたけれど、よくよく考えれば当然かもしれないと思った。源泉がついていてくれたのでなければ、あのタイミングでアキラがトシマから無事に脱出することは不可能だったろう。
 ケイスケのことは、訊かないことにした。
 リンも色々あった。本当に、色々。
 アキラや源泉もそうだろう。
 それでも勢いで抱きつけば、うろたえるアキラ。変わりのなさに安堵した。

 二度目に会った(つまり遊びに行った)時には、家に源泉の姿はなかった。どこぞに単身取材とかで、もう一週間ほど留守にしているらしい。
 あちこち転居しているという話だから、せっかく再開できたこの街にいる間くらい、ゆっくり歓迎しろよなーなどと悪態をつきつつ、泊まっていってもいいかという問いには、アキラは歓迎の返答を寄越してくれた。

 一日使って、これまでのことを報告し合ったり、リンが異様にでかくなっただの、そんな話に花を咲かせて、夜も深くなって。
 別にいいというのに、アキラはベッドをリンに譲って、自分はソファで毛布をかぶっていた。今いるこのアパートは手狭で、ベッドはひとつしか置けないのだという。まあ部屋全体を見渡してみれば、言われなくとも納得できるが。それでも二人で寝るのには十分な広さなのだから、一緒でいいのにと思ったけれど、そういうところがアキラっぽいかなとも思う。

 ベッドのある狭い部屋と、ソファのある小さなダイニング兼居間を隔てる扉は開け放ったまま。
 クシュン、という小さな音を、リンは聞いた。

 ほら、やっぱり冷えるんじゃないか。
 ベッドを抜け出して、ソファの上に転がる毛布に近づいた。そっと覗き見てみれば、眠っているアキラの肩の部分がはだけている。

「ねえ、アキラ」

 冷えているであろうその肩に、脅かさないようにそっと手で触れる。
 その手首を、もぞもぞと動きを見せたアキラの手が、ゆるりと掴んできたから驚いた。さっきのクシャミで目を覚ましていたのだろうか。
 どうやら、そうではなく。

「……、……」

 瞼は閉じられたまま、暗がりの中でよくよく見なければわからないくらい、僅かに眉を寄せ。声にならないような微かな言葉を発して、アキラの唇が震えた。
 へにゃりと、リンの相貌が崩れる。

 オッサン、と聞こえた。

 ── かっわいいじゃないかッ!
 しかしもちろん声には出さずに、その場の床にそっと腰を下ろす。己の手を掴むアキラの手を、彼よりも大きくなった手でやんわりと握り返して、もう一方の掌で、その頭を優しく撫でた。

「ここにいるよ、アキラ」
「……」

 その微かな声に反応したのかどうかはわからないが。その眉根と瞼から、余計な力が抜けたように見えた。
 静かで、穏やかな呼吸音。

「もー、オッサン、早く帰って来いよなぁ」

 ニヤニヤと笑みを浮かべ、小さな声でひとりごちる。
 トシマでの生活は、寝ても覚めても、それこそ常に警戒心を持っていなければ、命の保障などなかった。トシマでアキラと出会い、過ごしたのはほんの数日間だったけれど。自分もアキラも、本当の意味で安らいだことなど、多分ない。
 けれど今のアキラは、リンが近づいても、肩や手や頭に触れてみても、目を覚ますこともなく。きっと殺気や悪意には今も敏感なのかもしれないけれど、それ以外なら、他人の気配にもこんなに穏やかなままで。

 綺麗だ。

 安らかなアキラの寝顔を見て、そんな言葉が胸をついた。
 数年前、自分よりも年上とはいえ、まだ大人とはいえなかったあの頃のアキラも、今思えば年相応の幼さはあったかもしれないけれど、ずいぶんと整った顔立ちだったと今でも思う。
 けれど、今のこの、幼さの抜けた顔立ちと、伏せられた瞼や、陰を落とす睫毛や口許。前髪のかかる頬。呼吸で静かに動く肩と胸。
 ただ整っているのとは違う特有の、色。
 凄まじい色気というか、見るものを惹きつけてやまない鋭利な寒色の中に、丸みを帯びた暖色も同居しているような。

 ── どうやったら、こんな色っぽく成長しちゃうわけよ。

 源泉が選んだ道と、その道を共に行くことを選んだアキラ。
 年中平穏とはいえないであろうその生活の中で、悲しみも苦しみも、時には憎しみだってあっただろう。さまざまな謀略や泥のような思惑にさらされたことだって、数え切れないくらいあったはずだ。
 けれど、だから、それでも、だからこそ。
 トシマを出てから、日々の暮らしの中で、源泉がアキラに与え続けていたものを、リンは知る。

 憎しみや悲しみだけでは、立っていられない。
 安穏とした幸福だけでは、わからない。

 それでなくとも、リンやアキラのような世代は、時代のせいで社会自体が偏っていたから、何がどう悪いのか、何がどう幸せなのかなんて、わかりようがなかった。それこそ生れ落ちたその時から。今でもわからないまま這い回っている人間なんて、ごまんといる。
 夜が明けて、日が暮れていく中で、その場限りの憤りや、ほんの少しの楽しみを片手に掬うような。
 明日何をしているかなんて、想像もしなかった。
 生きていないかもしれない明日より、今日、今、何をしているかが重要だった。
 自分はシキのことがあったから、少し事情が違ったかもしれないけれど ── いや、それでも他と大差ないかもしれない。

 そんな、毒の小瓶の中のような生活から抜け出した後で。

 源泉はどれだけ広い世界の中に、アキラを解放したのか。
 その果てしない場所で彼が迷わぬように、絶えず寄り添い、手を取り、抱き締め。

 誰もが難しくて見据えることができなかった、遠い未来を。
 生きている、今の幸福を。自分自身で気付き、掴み取れるように。


「あっははは……」

 かなわないなあ、と思った。
 すべてを如実に顕わす、この寝顔にはかなわない。
 アキラがひとりではなく、彼と二人でいたからこその今を思うと、微笑まずにはいられない。

 色々なことを源泉に問いただして吐かせてみたいけど、なんだか悔しいからやらない。
 アキラをからかってもみたいけど、可哀相な気もするし、口もきいてもらえなくなっても困る。黙っているのが賢明か。実にもったいない。

「……アーキーラ」
 起こすでもなく、そっと呼びかける。自分以外に聞こえないような、微かな声で。
 彼を見ていると、思う。

 人はいつか、赦し、赦されるのだろう。

 生きていくということは、ベルトコンベアに乗るのとは違う。黙って乗っているだけであっちへこっちへと流されていくのは、生きているということではなくて、いつか死ぬのを待っているということだ。
 彼らのように、生きてみるのもいいのかな。
 こんな風に眠ることを知るアキラや、それを与えた源泉を思えば。
 同じように生きる道が、自分の前にもあるのかもしれない。

 幸せになってみようか。自分も。
 時をかけて、距離をかけて。

 密やかな笑顔でそんなことを思いながら、リンはもう一度、アキラの頭をそっと撫でた。




=====================
あれ……この半分量くらいで収めようと思ってたのに……orz
でかリンたんよりちびリンたんのが好きなんだけど、さすがに数年後に154cm(くらいだよね)のままじゃ哀しいもんね、でっかい方を採用で(笑)
しかし源泉が出ないどころか、アキラの台詞さえもないって。あっはっは。
アキラの寝言を「オッサン」にしようか「源泉」にしようか悩んだけど、まあ、日常的に呼んでるのはずっと「オッサン」だしねー。響きとして「源泉」と呟かせたくもあったんだけど。
 

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