オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.30 コーラス・ブレイド ~二足のわらじ

2007.01.22

「そろそろ行くんだろ。準備は進んでるのか?」
 ソルダムから声がかかる。
 準備って言っても、もともと持ってきてるものってそんなに多くないんだよね。
「あ、グラスセットの土産忘れちゃいけない……って、ソルダム?」
「なんだ」
「オレの気のせいじゃなければ、なんかお前、旅支度してるように見えるんだけど」
 肩から荷物ぶら下げて、愛用の斧まで出してきて。
「その通りだよ。このオレが直々に土産配達してやるよ。ありがたいだろ?」
「えええ!?」
「一緒に行くよ。お前と初めて会って、各所で起きた凶行のことを知ってから、決めてた。何がしかの変化が起きた時には、オレも行こうって。これでもハンターの端くれだぜ」
 ソルダムは鍛冶屋を本業としながら、ハンターの資格も持っている。それなりの能力さえあれば、資格を持っていたほうが何かと便利だ。ソルダムの場合は、進んでハンター稼業に精を出しているわけでもないけど、近所でモンスターの被害とかが出た時には、エンデリックギルドから依頼が出てないか確認に行く、みたいなやり方をしてた。
 傍で聞いていたシイナが肩をすくめる。
「なんとなく、予想はしてたがな」
 え、そうなの? ソルダムが旅支度してるのに今まで気付かなかったオレがおかしい!?
「けど初めて会った時って、岩場に打ち上げられてた正体不明の男がサンレイクの王だなんて、よく信じられたな、ソルダム」
 シイナ、ふと思いついたようにソルダムに視線を向ける。しかし普通に痛いトコ突いてくるな。
「そんなの、シイナだってそうじゃないか」
 ケラケラと笑うソルダムに、シイナは「そりゃそうだけど」とかなんとか口ごもる。
「オレの場合は、まあ、ね。こいつの持ってた精霊石が尋常じゃなかったってこともあるけど、この顔が、さ」
「顔?」
「コーラスの髪って見た目黒いだろ? 黒髪の多い国なんて沢山あるけどさ、陽に透かした時にこう、サビみたいな色とか薄茶とか、色々に変化するのって、サンレイク特有なんだ。この黒に近い青色の瞳も」
 そんなわかりにくい特徴を知っていたソルダムに、驚かされたもんだ。サンレイクなんて、国の存在すら知らない人間だって多いってのに。確かにサンレイクは他と交流が少なかったから、この特徴は外にはあまり広がってないんだよな。
 こいつのこういう洞察力には感心する。外見だけじゃなくて、人の本心なんて簡単に見抜くし。まさかシイナの中身が外見と違うってトコまで見分けるとは思わなかったけど。
「少しは力になれると思うぜ。ていうかもう、お前ら放っておくのは心臓に悪い」
 そりゃあ、オレだけならともかく、オレみたいなのがふたりになったら、不安にもなるよなあ。この数日で、実績作りまくりだし。
 ってシイナ、そんな、オレと一緒にされたことが心底ショックだとでもいうような蒼白な表情はやめてくれ。
「でもソルダム、仕事は放っていいのか?」
「いつかこういう日が来るのを念頭に置いてたからな。お前たちが来てから今日までで、持ってた仕事はみんな片付けたよ」
 そいつは知らなんだ。
 オレたちがイモを血に染めたりアザラシ釣ったりしてる間に、凄い頑張りだったのね。さすがは凄腕、ソルダムさん。

「それで、お前らはどこに向かうつもりなんだ」
 ミリネ、めっちゃ偉そうに発言。
 しているように見えるだけで、実際にしゃべってるのは、ミリネの額に巣食うサウロだけど。その会話方法、非常にグロテスクですってば。
「まずはポーラス西地区南西4番街。そこで知り合いに届け物」
「ふん……あの森に囲まれたへんぴな街の4番街か」
 サウロ、何事かを考え込むように、目を細める。ミリネの額に埋め込まれた物体の点目が細められると、ただの横棒みたいな窪みに見えるけど。
 パカリと、その棒が点になった。
「お前らに付き合って歩かせるには、お嬢は体力が追いつかない。オレ様とお嬢は先に行って街付近で待ってるぞ」
「あ、そう?」
 先に行く、なんて選択肢があるなら、それはその方がいいかもしれない。普通に一日くらいかかる道のりだから、ミリネみたいなちっちゃい子が歩くのは大変だろうし。
「お前らが来るまでに、引き続き召喚師らの情報でも集めておくとしよう」
「助かるよ」
 各地に散らばっているという召喚師の情報が聞けるのは、かなり心強い。普通に人が察知できない方面を補ってもらえるのが嬉しいね。

 ぺこりと頭を下げたミリネ。その姿が、あっという間に掻き消えてしまった。
「……どうなってんのかね」
 謎の多いエルフのことは、よくわからない。瞬時に移動できるってのは色々便利だと思うけど、ひとりで行ったってことは、シイナと同じで他人を連れては無理なんだろうなあ。

「それじゃあ、オレたちも行くか」
「ああ」
 まずは西地区のディク先生の許へ。
 オレたちは三人揃って、ソルダムの工房を後にした。





==椎名の呟き==
前回ポニテの話なんてしたけど、よく考えてみたら、そんな髪型して人様にお見せできる年頃でもなかったですね。椎名。えへへへ。
(今回の話に関するコメントはないのか)

★『コーラス・ブレイド』最初から読みたい方はこちら★


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