オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

咎狗の血 源アキSS 【 unbreakable DEAR 】

2011.10.09
久々に源アキを書いたので。
pixivにUPしたものと内容は一緒です。

お題は「ツン源泉」と「デレアキラ」で。
というか、ついったーでお友達がこういうお題だったらどうだろうと話していたのに、勝手に乗っからせてもらっちゃっただけなのですが!

ちょっとした拍子にツン発動させる源泉と、色々なショックでデレぎみなアキラ……の、はずですが……うまくいってないよ! やっぱ難しかったよゴメンね!


BL二次小説、そしてネタばれにも引っかかるであろう、なので下げます。
このジャンルのダメな方はご注意を!

※SS自体は18禁ではないです。

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

【 unbreakable DEAR 】 -咎狗 源アキSS

 
 
 ない。
 どこを探しても、ない。

 確かに個別のフォルダに保存してあったはずの画像ファイルが、どうしても見つからない。
 昨夜保存して、いまはまだ起きぬけの早朝で、記憶の混濁はほとんどない。寝る前に保存して再度確認、すぐにパソコンを落として、アナログの写真を整理していた源泉に報告して床に就いたはず。けれど自分は、まだそんなに自信が持てるほどパソコンの扱いに長けているわけではない。何かミスがあったかもしれない。このご時勢、それほど恵まれた環境ではないから、記録メディアもちょうどいまキツキツで、次に仕入れられるまではと、たまたまデータをひとつしかとってなかったのに。
 アキラは、自分の中で血がサアッと落ちていくような感覚を覚えた。
 それは源泉が仕事に使うはずの写真画像で、ファイルの保存を任されたのは自分だ。仕事用の一連の写真と一緒にきちんと分けたのを憶えているのに、なぜか肝心の一枚が無くなっていた。
 海辺で撮った写真で、明日には出版社の方に記事データと一緒に渡すと言っていたものなのに。
 それに、あれは。

「アキラ、どしたぁ?」

 背後からの声に、ビクンと肩が震えた。
 ふたりで暮らす家の中には、いまは源泉と自分しかいなくて、だから当然この間延びしたのんきな声は源泉のもので。いま、一番ここにいて欲しくない人の、声。
 ぎこちなく振り返った先の源泉の顔が、アキラの表情を見てきょとんとしている。
「なんだ? アキラ、おっかない顔して」
「……オッサン……」
 どう言えばいいのかわからない。けれど、ごまかしていいことではない。
「写真が、」
「写真?」
「明日使うって……言ってた、あの写真が、なくて」
 明日使うという部分を聞いて源泉の片眉が一瞬上がったのを、アキラは見逃さなかった。
「ちゃんと保存した、つもり、だったんだ。あれは、オレも、好きで、だから……何度も確認したはずだったのに」
 部屋の入り口に留まったままの源泉の眉間に、微かに、けれどはっきりとわかる皺が生まれた。
 ドキン、と自分の耳の奥に響くくらいに、心臓が一度高鳴る。
「海で撮ったあれか?」
「……」
 幾分硬く響く源泉の言葉に、無言で頷く。
「……」
 己の顎を撫でる源泉の視線が、微かに彷徨う。

「あ、」
「ああ、いいよ。寝る前に記事はほとんど仕上げてあるからな。そんなに遠い場所じゃないし、また撮ってくりゃいい」
 アキラが言葉を発するのを遮るようにひらひらと手を振って、あくまで軽い調子で源泉は言った。
 そんなに遠い場所じゃないとは言うけれど、ここから100kmはあったように思う。海外でないだけ救いはあるが、サッと行ってパッと撮ってこられる場所ではない。
「いまから行けば間に合うし、ちょっくら行って来るさ」
「オレも……」
「お前は来るな」
 ぴしゃりと言われて、急いで上げかけた腰が止まる。
「写真一枚撮ってくるだけの簡単なお仕事だ。別にひとりでかまわんよ。お前は留守番な」
 先ほどと同じようにひらひらと手を振って、けれどはっきりと背中を見せて拒絶を示す源泉。そのままトタトタと居間へと歩いて行ってしまうのを、アキラはその場で身動きひとつできずに呆然と見つめた。

 絶対に、怒らせた。

 写真一枚撮るだけの簡単な仕事。
 その一枚を残すのにどれだけ時間と費用と神経を削っているか、アキラだって知っている。もうどれだけ貯め込んだかわからないフィルム。使わないデータの山。写真撮影の前に源泉が描き起こした、膨大な量のスケッチ。
 源泉の写真には、いつも心が乗る。
 いつだって、大切に大切に、目の前の世界の、ほんのコンマ1秒ををそっと切り取るように、カメラに収める。
 どの写真だって、二度と同じものは撮影できない。
 それがわかっていて、源泉はアキラに仕事を託してくれているのに。
 あの海の写真は、納品先からデジタルでもいいと言われていたから、デジカメで撮った一枚だ。源泉はアナログの方が好きらしいが、たまたま撮影したときはフィルムが手に入らなくてそうなった。それでもパソコンの画面で眺めたその一枚が、とても好きだったのだ。
 晴れた日の光を受けて輝きを内包する、真昼の海。
 あの写真は、もう二度と撮れない。


 ややあって、バタンと音を立てて玄関のドアが閉ざされたのを聞いた。
 源泉が出かけたのだろう。

 普段だったら。
 いつもだったら、アキラを残していくときには、うるさいくらいに飯を食えだとか散歩くらいしろよだとか声をかけて、頭を撫でて、出て行くのに。
 まだ車に乗り込むところであろう源泉を追いかけることすら出来ない。
 数秒後に、車の発進音と、その排気音が徐々に遠ざかるのを聞いても、アキラはその場から立ち上がることすらできなかった。




 どのくらい、そうしていたかわからない。
 いつも口うるさく、自分がいなくても飯を食えと言われているが、何も喉を通らない。
 このまま源泉の帰りを待って、そして帰ってきて、どんな顔をして迎えればいいのかわからない。そして源泉がどんな顔でアキラを見るのかも。

 謝ることすらできなかった。

 未だに自分は、動揺すると思考も動きも完全に止まってしまう悪い癖が消えない。
 謝罪などしたところで、なくしたものは戻ってこない。けれど、そういうことじゃない。
 どうして自分は肝心なときに、きちんと伝えることが出来ないのか。
 自己満足にしかならなくても。あの瞬間にせめて謝罪できていたら、いまこんな気持ちになっていなかっただろうか。それとも結果は同じだったろうか。いや。同じでも。やらないより、やったほうがよかった。それが謝罪でも、感謝でも、別の気持ちでも。自分はいつもいつも、いちいち鈍くて、遅くて。それを源泉がゆっくりと待っていてくれたから、甘えることに慣れていて。
 源泉が大目に見てくれるから、だからこそ自分だってそれに応えなければならないはずなのに。

 急に、いても立ってもいられなくなった。

 多分源泉は怒っていて、だから撮影にもついてくるなと言った。
 わかっているけれど、このままここで彼の帰りを待つなど到底出来ない。
 行かないと。
 それで責められてもいい。
 呆れられていても、もし、嫌われたとしても、自分が悪かったこと、それで源泉の大事なものをなくしてしまったこと、それを取り戻させるような事態になってしまったことを、ちゃんと謝りたい。

「確か……」
 あの場所には、撮影当時はアキラもついていった。懸命に思い出す。
 車で出かけたからうろ覚えだが、たしか鉄道の駅も近かったはずだ。アキラも自動車の免許は持っているが、車は一台しかないから源泉が乗って行ってしまったいまは使えない。もっとも車があったところで、詳しい道順までは憶えていないが。
 最寄の駅から、どこまで行けばいいか。
 家には路線図のような便利なものはないから、行き当たりばったりで行くしかないか。いつも源泉が手配して案内してくれていたから、自分はこんなにも頼りない。
 地名は覚えている。なんとかできるだろう。
 いつも源泉が示してくれる道を手段を、自分で吸収することも出来なかったら、何のための助手だというのか。
 駅に行けば路線図があるだろうし、職員に聞いてもいい。路線はそんなに複雑に敷かれてはいないから、途中で途切れることがなければ、それほど迷うことはないはずだ。もし途中で切れていたら……そのときは考える。
 アキラは立ち上がり、なけなしの金の入った自分の財布を掴んで部屋を飛び出した。




 幸運にも、路線を2回変えただけでその駅にたどり着くことが出来た。
 ここから、どちらに向かって歩けばいいのか。
 方角的にはまったく記憶がなかったが、とにかく海の方向に向かって歩き、見覚えのある景色を探すしかない。
 浜辺、ではない。そこから少し外れた、崖の上というよりは少し高い岩場といった感じで、けれど、それほど危険な場所ではなかった。海面より数メートル高くて、周りにいくらか木があって、その木々を抜けた先に岩場に降りられる場所があって……。

「……あ」

 歩き始めて30分も経った頃か。道から外れた木々の間に、見覚えのあるシルエット。
 源泉の車だ。
 急いで駆け寄るが、もちろんそこに源泉はいない。この先の海辺に、彼はいるはずだ。
 もう、ここは見覚えがある。あのとき歩いたのと同じ場所を辿って木々の間を抜ける。視界が少し開けた場所に、アキラは源泉の後姿を見た。

 その場に立ちすくみ、カメラを片手に持ったまま、まっすぐに海を見据えている後ろ姿。

 いたたまれない。けれど、ここまで来て逃げ帰るわけにも行かない。
 我知らず、少し大きく息を吸って、吐く。そしてまた吸う。

「……オッサン」

 静かに息を吐くように、源泉を呼んだ。
 緩やかな風にすらかき消されそうな微かな声だったが、源泉はひょいと振り返った。
 呼ばれたような気がした程度の感覚だったのかもしれないが、その目がアキラの姿を捉えたとたんに、大きく見開かれる。
「アキラ……!?」
「オッサン」
「お前、なんでこんなところまで来た」
 驚いただけなのかもしれないが、幾分普段より大きな声で問いただされて、アキラは源泉に近寄ることすらできずに視線を逸らした。
 これじゃあ、だめなのに。
 横にそれてしまった視線を戻そうと必死になるが、自分の身体なのに言うことを聞かない。源泉のいる方へと顔も身体も向いてはいるが、視線は足元に落とされたまま。
「……謝りたくて」
「アキラ」
「オッサンの、仕事の大事な写真、オレがなくしたから」
「……」
 アキラの名を呼んだ源泉が口をつぐんだ。どんな顔をしているのかは、アキラからは見えない。
「アキラお前、そんなことでここまで」
「そんなこと、じゃない!」
 俯いたまま、アキラは両の手を握り締めた。そこに力をこめて初めて気付いたが、手も足も、微かに震えている。自覚してそれを止めようとしても、自分の意志ではどうにもできなかった。
「オッサンの仕事のことだ! そんなこと、じゃ済まされない。どうにも出来なくたって、すぐに謝って、責任は取れなくたって、一緒にここまで来て、見守るべきだった。けど……オッサン多分、呆れてるし怒ってるから」
「おい、アキラ」
「オレの顔も見たくないって、思ってるだろうから、けど……、……」
 ごめん、と言いかけて、目の前が真っ暗になった。
 吐き出す呼吸すら震えていたのに、突然のことにヒュウ、と息を吸い込んでしまい、息が止まる。

 源泉に抱きしめられていた。

「謝るな」
「オッサ、……」
 呼ぼうとして、息が詰まってケホンと咳き込んでしまう。
 がっちりと抱きしめられたままガシガシと頭を撫でられて、何がなんだかわからない。
「謝ってくれるな。違うから。オレが悪かった」
「なんで、オッサンが謝るんだ」
「違うんだよ」
 違うって何が。言っていることがわからない。
 アキラが動けずにいると、ハア、と息を吐き出す源泉がその頭をポンポンと叩いた。

「写真を捨てたのはオレだ」

「…………え?」
「あの写真を削除したのはオレなんだよ」
 え?
 言われたことを租借するのに時間がかかって、アキラはパチパチと瞬きをする。
「やっぱりどうしても納得できなくてな。……ほら、あのときはフィルムがなかったろ? 仕事の写真だし、しょうがねーと思ってデジタルで撮ったけどな、その後フィルムが手に入ったからさ。ギリギリだが……最初から、今日撮り直しに来るつもりだったんだよ」
 そんな。じゃあ。
 じゃあどうしてあのとき、それを言ってくれなかったのか。
「……言えなかった。ちょっと、傲慢だったなって思っちまったら」
「傲慢……?」
 抱きしめていた腕を緩めて、源泉はアキラの顔をまっすぐに見た。
「お前今日、あの写真好きだって言ったろ」
 それは確かに言った。
 源泉が自身のこだわりであるアナログで撮影できなかったのを不満に思っているのは知っていたし、それなりに長いこと助手をやってきて、源泉の言う一枚一枚の細かい差なども、源泉ほどではないにしろ理解できるようにはなっていたけれど。それでもあのときに撮影できた最良のものだと思っていたし、あの明るく密やかな輝きを抱く海の景色を、アキラはとても好きだと思ったのだ。
 明るい景色だからこそ見えない、海が抱くその光を。
「オレが気に入らなくても、お前が、誰かが好きだと思うかもしれないそんなものをな。オレの気持ちひとつで黙って捨てちまったことに、あのとき初めて気がついたんだよ。そしたら、オレが自分で捨てたって、言えなくなっちまった。帰ったら、謝るつもりではいたんだ。ホントに悪かった」
 だからお前は悪くない、と、源泉は再びアキラの頭を抱え込んだ。
 ── アキラが咄嗟に声にすることが出来なかったように、あのときの源泉も。
「……」
 ゆっくりと時間をかけて、言われたことを理解して、アキラの手の震えは止まるどころかカタカタと音を立てるかというほどに大きくなった。
「…………」
「アキラ? ……怒ったか?」
 ブルブルと首を振る。おずおずと源泉の背中の、厚めの上着を握り締めた。
「……良かっ、た」
 自分のせいで、源泉の大事なものをなくしてしまったと思った。
 だから、源泉を呆れさせて怒らせて、嫌われたと。
 やっと少しは役に立って、一緒に歩いてるんだと自覚できるようになったと思ったのは自分の勘違いだったと、それを突きつけられるのが怖かった。
「呆れられて、嫌われたと……」
「アキラ」
 呼ばれて顔を上げたら、源泉が眉をハの字にして笑っていた。
「お前、目ぇ真っ赤」
「!! ……ちがッ……」
 上げた顔を、源泉の肩に押し付けて隠した。
「悪かった。すまん。けどな、アキラ。お前さん、もちっと楽にしろや。もしも本当に大事な大事なものがあったとして、それをアキラがなくしたり壊しちまったりしたとして、だ。そんなことで、オレがお前さんを嫌いになったりなんてあるわけないだろ」
 誰にだって過失はある。それが取り返しのつかない事態にあることもある。そのことで、悲しみや怒りや後悔が伴うことだってあるかもしれないが、だからといって。
 それで源泉がアキラを嫌うことなんて、絶対にない。
「けど、じゃあ、なんで」
「ん?」
「……」
 今朝出て行くときに、何も声をかけて寄越さなかった。
 触れても来なかった。
 まるで、顔も見たくないとでもいうかのように。

 けれど、それを口にすることが出来ない。

「あー……」
 得心したというように、源泉はうんうんと頷いた。
 多分見透かされたであろうことを感じて悔しくなるが、ここで訳もなく否定するのも余計に往生際が悪い気がする。
「なんかもう、こう引っ付いちまってると今更なんだけどな……あのときはこう、ちょっと傍に寄せたくなかったっつーか」
 そこまで言われて、アキラはハッとした。
 いつもスキンシップ過多な源泉が、アキラを寄せ付けない。そういうときが、まれにある。それは共に暮らすようになったこの数年で、まだ1、2度くらいしかなかったからわかりにくかったが。
 アキラは思わず源泉に回していた腕を解いて、その両手を源泉の顔にビタンと当てた。
「っ、ってぇ! お前な」
 額が熱い。
 上着のせいで気付かなかったが、直接触れる源泉の肌は、常時よりもかなり熱かった。
「あんた、熱あったのか」
「……スマン」
「何であんたはそう……!」
「悪かったって! けどこの写真は今日撮っちまわないとだったし、風邪をお前に移すわけにもいかんだろ? オレとお前は狭い場所にふたりで暮らしてて、だけどふたりで仕事してるんだ。共倒れになっちまったら困るだろ」
 だったらそう言ってくれればいい……
 そう言おうと思ったが、多分それはムリだったろうと思う。
 あのとき源泉が正直にそれを告げていたなら、自分は当たり前に心配していたろうと思う。傍に寄るなと言われて従うはずもない。それを源泉はよくわかっていたのだろう。
「でもあんただって、オレが体調崩したら、ずっと傍にいるだろ……」
 いるなと言っても。
「そりゃあそうさ。けど、オレがそれでお前に風邪を移されたことがあったか?」
 それは……ない。
 源泉もそうだが、アキラもこれで案外身体は丈夫だから、風邪などは滅多にひかない。そしてまれに風邪をひくようなことがあれば、源泉は必ずあれやこれやと世話を焼いてきた。そして、その後で寝込むようなことは、これまでに一度もなかった。
「だから、オレはいーんだよ」
「だったらオレだって大丈夫だ」
「そーかぁ?」
 間近で話して笑うから、熱い息がアキラの頬にかかる。
「オッサン、大丈夫なのか、そんなんで」
「んー、どうかなぁ」
「オッサン!」
 こんなだから、ムチャをするなと言いたくなる。けれど急を要する仕事なのも確かで、そういう場合に、どうすればいいのか。急いて財布だけ持って出てきてしまったから、いまここに風邪薬や熱さましなど、当然ない。源泉は自身で持って出たかもしれないが、今現在も熱があるのは確かで。
「せっかくアキラが来てくれたんだ。もうちっと、こうやってあっためてくれや」
 ぎゅう、と抱きしめられる。幾分か楽しそうなのが気になったが、言われるままにおとなしく、両腕を再び源泉の背中に回した。
「でさ、お前がいるところでもう何枚か撮影して、で、帰りはお前が運転してくれるか?」
 そう言われてアキラはこくりと頷く。
「ありがとさん」
 ポンポンと頭を叩かれて、また両腕できつく抱きしめられた。

 ふたりで仕事をしているんだと言われて、嬉しかった。
 こうやって求められるのが、嬉しい。
 ひとつのミスで驚いて怯えるのではダメなんだと思った。
 今回は自分に過失はなかったと源泉が言ってくれたが、長く一緒に暮らしていくなら、多分いくらでも失敗はある。それで嫌うことなんかないと源泉は言ったし、じゃあ自分はどうなんだと考えてみれば、たしかに、そんなことがあるはずがなかった。

「オッサン」
「なんだ?」
「オレが、いたら」
「うん」
「オレがいたら……さっきまでより、いい写真、撮れるか?」

 源泉の胸に顔を押し付けたままだから、くぐもった声だけれど。
 大きな身体が一瞬揺れて、多分、破顔した。

「おうよ。撮れる撮れる。お前がいると、世界の色が変わるからな」

 待っていた言葉を受け取って、アキラは微笑んだ。抱きしめる源泉には見えないように。
 きっとその胸で、感じているだろうなとは思ったけれど。

 大事なことはひとつではないけれど、そのすべてがもしも壊れても、絶対に壊れないものが、ここにある。
 そんな特別なものを、アキラは少しだけ力をこめて、抱きしめた。
 
 
 
 
 
=====================
時期としては、トシマ脱出からEDまでの5年の間のどこかだろうと。
真ん中からそのあとくらいですかねー?
なんかもうちょっとこう、ラブラブさせられないものですかね。
アキラのデレがこれで精一杯て、自分……。
 

コメント
コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

椎名シイ

Author:椎名シイ
 
オリジナル&二次小説、ボカロKAITOやゲーム感想や普通の日記をとめどなく。
一部微妙に腐女子向けかも!

インフォメーション

Twitter

管理人へのメールフォーム

pixiv
pixivは二次創作腐向け小説と絵。ジャンルは雑多。

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

08月 | 2017年09月 | 10月
 日  月  火  水  木  金  土
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


訪問者数
ラグナロクTV

このブログ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 © Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. © GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
ブログ全記事表示
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。