オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.32 コーラス・ブレイド ~男同士

2007.01.24

 今回は、道中おかしな魔女に出会うことも無く、笑い茸を食すこともなく(危うかったけど)、予定通り夕方には西地区にたどり着くことが出来た。
「けど、ミリネどこにいるんだろうな」
 グルリ街中を徘徊してみても、それらしき人影が見当たらない。あの子のことだから、賑やかな街の中でひとりでウロウロしないとは思うんだけど、こっちも街の外を当てもなく探すわけにもいかない。まあ、彼女はオレたちの気配みたいなのを読めるみたいだから、どこにいても勝手に探し当ててくれるとは思うんだけどね。

「ディク先生ー。お届けものでーす」
 ゴンゴンゴン。
 ノックをしたら、ガチリと内側で鍵を開ける音がした。おお、いたんだ。すぐに扉が開いて数日振りの男前が顔を出す。その目が、ほんの少し見開かれた。
「私は本体を注文した憶えはないんだが」
 ソルダムを見ながら。
 ディク先生。本体って。ならグラスは分裂したソルダムの一部か何かですか。
「よう。元気そうだな。故あってグラスセットはオレが直参してやったんだよ。ありがたく思えよ」
「別にありがたがるいわれはないが」
 言いながら、ディク先生は扉を大きく開けてオレたちを迎え入れてくれた。
「急にどうしたんだ、ソルダム。ここまで出てくるなんて珍しいじゃないか。そんなに私に会いたかったのか、暇人」
 ソルダムに似たマメさでハーブの香りのするお茶を出してくれながら、ディク先生はソルダムを一瞥する。
「そりゃあ会いたかったさ。お前だってオレの顔見たかっただろ?」
「張り倒される前に黙れ」
 言い合いながらも、ソルダムは勝手知ったるわが家のようにくつろいでるし、ディク先生はそれを気にするようなこともない。けど。
「なあ、シイナ」
「うん?」
 隣に座るシイナに声をかけると、茶をすすっていたシイナは視線だけをこっちに向けた。
「ソルダムとディク先生って、昔から仲いいみたいだし、もしかして何つうか、そういういい関係なのかなあ、なんてちょっとだけ想像したりしてたんだけど、なんか違うみたいだなあ」
「同感だ」
 過去にソルダムから、恋人がいるなんて話は確かに聞いたことがなかったんだけど、そういうことって聞きもしないうちから自分から話す男でもなかったし。
 なんて思ってたら、ソルダムとディク先生が、揃ってこっちにクワッと視線を向けた。
「「気色の悪いことを言わないでくれ」」
 ハモッた。息はぴったりだな。
 まあ何というか、男女の仲って感じで並ぶ二人ってのも、ちょっとヴィジュアル的に想像しにくかったんだけど、こうも完璧に否定されると……仲がいいんだか悪いんだか。完全に、遠慮知らずの男同士の友達にしか見えない。確かに。
「ディクはねえよ、ディクは。仕事でそんな暇ないってのも事実だけど」
「こちらもそういう話にかまけていられる時間の余裕はない」
 ホントに気が合うな。仕事人。
「むしろ」
 ディク先生は、椅子から立ってオレの方へと近づいてきた。腰をかがめて、座る俺の顔を意地悪そうに覗き込む。
「どうしてもと言うなら、ソルダムよりはキミの方が好みだが? コーラス」
 ぎゃは。ニヤリと微笑まれた。
 とてもその、好みの男性に言い寄る女性の仕草には思えないんですけど、ディク先生。
「まあ、安心したまえよ。キミにはシイナがいるんだろうから、別に最初から懸想を抱くようなことは考えつかないさ。ああ、キミたちは生き別れの兄妹だったか。失礼失礼。それにさっきも言ったとおり、私もそれなりに忙しい」
「いや、シイナは違……」
 言いかけたところで、ソルダムが口許に人差し指を当ててオレを見た。
 黙ってろって? なんで?
「シイナは茶を飲むペースが速いな。気に入ったかい?」
「ハーブのお茶はあまり縁がないけど、これはとても美味しいです。ディク先生は薬師だけあって、お茶もとても美味しく入れられるんですね。茶葉を売ったりはしてないんですか?」
 シイナ、まんざら社交辞令な感じでもなく言う。まあ、こいつはそういうとこ素直だから、不味い物に美味いとは言わないだろう。
「お茶のおかわりをあげよう。正直な子は好きだよ。オリジナルブレンドの茶葉はこれから商品化も考えているところだが、あとでキミには少し分けてあげよう」
 ディク先生が素直に嬉しそうなのも、初めて見たな。あんまり長く付き合ってるわけでもないけど。
 そうか、茶葉のブレンドにはひとかたならぬ愛着があるんだな。
 ディク先生がお茶を入れなおすために少し離れたところで、ソルダムがオレに囁きかけた。
「シイナのことは黙ってろ。あいつは……ちょっと好意を持つ方向が変わってるからな。気に入られると大変だぞ」
「……」
 どんな風に大変なんだろう。
「まあ見た目どおり、女だと思って接しない方がいい」
「ははあ……」
 その方向性に興味はあるけど、自分がその対象になって検証するのは、ちょっと怖い気もしないでもない。だってソルダム、何か目がマジだ。

「何をコソコソと話してるんだね?」
 ボスっと、ディク先生はソルダムの頭の上に茶を入れたポットを置いた。
「あちいいい!!」
 うわーーー。

「なんでもないでーす」
 オレたちは、貼り付けた笑顔で声をそろえた。





==椎名の呟き==
これだけ登場人物が出てきても、どうもロマンスには発展しにくい面々。
まあ、よく考えればそういう話でもないですしねw

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