オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.3 コーラス・ブレイド ~兄さん、いいモノ持ってるね

2006.12.21

「コーラスさん、その収穫物は本日のものですか」
 早速のツッコミですか。

 日帰りできるはずの行程を丸二日もかけたオレ、二日目の夜遅くにギルドに収穫物のお届けに参上したのだから、事務員の表情があからさまにイヤな感じに歪むのも無理はないが。
 中身が中身ですからねえ。
 死んだ後の腐敗速度がすこぶる速い三本角ウサギ。しかもその姿と腐敗臭といったら、他の追随を許さない阿鼻叫喚絵図であるらしい。オレは実物を見たことがないんだけどね。現在肩から背負ってはいるが。
 まあ、すぐバレる嘘をついても仕方がない。
「いやー……昨日の……」
「今回の討伐は、三本角ウサギでしたよね」
 うう、切り返しが早いです、事務のおねーさん。
「そうデスが……」
「では、その中身はどこか遠くで解体して、角だけを持参してください。三本で一頭の計算で報酬を出しますから」
「えええええ!!」
 この中身を、自分で解体しろと! オレしばらくご飯食えなくなっちゃうじゃん!
「何のための近距離行程だと思ってるんですか。三本角ウサギの腐敗速度の速さは知っているでしょう」
 そうだけど。それはそうだけど!
 オレにだってそれ相応の事情というものが……って、寄り道して食い倒れてたってのは事情とは言えないのだろうけど。そこは、何とかご慈悲を与えてはくれないものか。
「……まあ、冗談ですよ。それはこちらでお預かりします。ですが、焼却してからの処理になりますから、報酬のお渡しが遅くなりますよ」
 ああそうか。普段なら歩合制の場合、収穫頭数ですぐに報酬金額が割り出せるけど、今回はそうはいかないってわけか。
 三本角ウサギの角は、炎で焼いたくらいじゃビクともしない強さを誇るから、焼却した後でも頭数を割り出すことはできる。だから武器や飾りに重宝するってわけで……ビバ三本角ウサギ。証拠が残る収穫品で良かった良かった。
「本来まとめて焼却するものを、別途で処理するんですからね。あまり手間をかけさせないで下さいよ。それと、今回の依頼からは外れてもらうことになります」
「ええ!?」
 あと数日はこれでやってこうと思ってたのに! オレ、そんなにデカいヘマをやらかしたってこと? ウサギ腐らせたから!?
「変な顔しないで下さい。単にね、との808番が頑張っているので、早々に間引きが終了してしまいそうなんです」
 との808番って誰だ。知らないヤツだ。
 あ、あれかな? 荷車引いて張り切ってた奴。きっとそうだ。どうせ一日で何度も往復したりしたんだろう。体力有り余ってそうだったし。
「それと、ちょっと急な話が入りまして、できればコーラスさんにはそちらに回っていただきたいんですよ」
「急な話?」
 事務のおねーさん、近くの引き出しの中からガサガサと紙の束を漁りだす。
「最近、博物館や宝石商を狙った盗賊の噂があちこちから出てるのはご存知?」
 んー、うすらぼんやりと。
「どうも、狙われているのは精霊石のようなんです」
「精霊石?」
 何のために。
 そりゃあ精霊石ってのは、それなりに高額取引されるものだけど、金が目的にしたって、博物館の守備はそれなりに高度だし、宝石商が持ち歩いてるのなんて、ほとんど装飾目的のクズ石ばかりじゃないか。
「その賊は魔女だ、と報告されているんですけどね」
 ……魔女。ということはだ。
「精霊石の本来の効果を知ってるってことかな?」
 オレの呟きに、おねーさんはただ頷く。
 精霊石は武器に使われることも多いが、さらに有効な活用方法がある。魔法力の増幅だ。ただこれは一般にはあまり知られていない。ハンターギルドや一部の機関の機密事項だからだ。それなりに、あちこちで情報が漏れ出しているだろうとは思うけどね。
 確かに欲しくても手に入りにくいものだから、盗賊に狙われる可能性がないわけじゃあない。
「被害はどのくらい?」
「襲撃回数は激増してるんですが、実害は今のところ皆無です」
「皆無!?」
「博物館や展示場の類は管理が厳重ですし、宝石商の持ち歩いているものはほぼクズ石です。賊は、硬度純度の低いものには目もくれないようで」
 それ見ろ。そんなのを狙ったって、たかが知れてるんだ。もしもそいつが魔力増幅のために石を欲しがっているなら、そんなところ狙ってもダメなのはわかりきってるハズなんだけどなあ。
「なんか、闇雲に精霊石欲しがってる?」
「そのようですね。どうしてか、精霊石を狙っている以外は他のものに手を出したり人を傷つけているわけではないので危険度は低いのですが、このままでは安心して街を歩けなくなりますからね。あなたにはその調査と、できれば確保をお願いしたいのです」
 それはいいけど……。
「オレひとりだけ?」
「必要なら増員もしますが、あまり大きな警戒態勢を敷いても混乱を招くだけですので。相手はひとりのようですし、さほど強い魔法力を持っているわけではないようですから」
「なんで、オレ?」
「ギルドではトップクラスの実力を誇るハンターでしょう?」
 ウサギは腐らせるけどね。
「それに」
 おねーさん、チラリとオレの腰のあたりに視線を流した。
「コーラスさん愛用のその剣、精霊石で出来ているものですよね」
 ええ。
 そうですけどね。
「つまり、手っ取り早く囮になっておびき出せ、と」
「そうです」
 にっこり。

 おねーさん、まるで恋人に向けるかのような晴れやかで素敵な微笑みは、勘弁して下さい。





==椎名の呟き==
あれえ、おっかしいなあ。
予定では、この半分量くらいの長さの予定だったんだけどな?
どんどん日記形式と言えなくなっていく……。

★『コーラス・ブレイド』最初から読みたい方はこちら★


テーマ : 自作連載小説

ジャンル : 小説・文学

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