オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.35 コーラス・ブレイド ~友はイモヅル式

2007.01.28

 そういえば。
「なあサウロ。ミリネをさらった奴ってのは、今どこにいるのかわかるのか?」
 サウロは目を伏せて首を振る。その仕草、やっぱり何だか妙だってば。
「わからん。そいつはここ最近気配を感じたりそうでなかったりと波があったからな。こちらが限定して気配を追おうとしているにも関わらず、召喚師や召喚獣から気配を隠しおおせるなんてのは、通常人間では無理だ。だとすれば、奴が隠れているのはサンレイクということになるな、やはり」
「……」
 サンレイクはほぼ精霊石でその国が出来ていると言っても過言じゃない島国だ。そこで精霊石の力をつかって結界を作っているんだから、そこを根城にしている限りは、召喚師たちでも気配を追えないって話だな。
 ある意味、こちらに召喚師がいる限り、どこに隠れているのか凄くわかりやすいけどね。
「本拠地にするためにサンレイクを襲撃したって話なのかね……。表面的な精霊石はあの時焼け落ちたように見えたけど、サンレイクは島自体がほぼ精霊石だし」
 他の精霊石産出地域も襲撃を受けて、そこの精霊石は全部焼き払われてたから、精霊石を失くすのが目的かとも思ったけど、そうでもなかったのかな。
「自分たちに精霊石は必要だが、それ以外の人間が精霊石を手に入れるのは困ると、つまりそういうことじゃないか?」
 自分も精霊石を手に入れるのに困ったシイナの言葉は、多分そのままで間違いない。さすがにその辺の察しは良いな。
「そういうことだろうね。白の塔のことも考えれば、つまり力を持ちそうな部分を排除しようとしたってことなんだろうから」
 まあとりあえず、だ。
「オレたちはこれから中央に戻るんだけど、ミリネはその姿を晒して外をうろつかない方が賢明だろうな」
 サウロはうむ、と深く頷く。
「当然だな。警戒するに越したことはない。むしろお前らと一緒では目立って仕方ないわ」
 どうも話を聞いてると、今現在向こうがミリネを付け狙ったって訳じゃなさそうなんだけど、一度召喚師の存在をあらわにしたからには、用心はしたほうがいい。
「大体なんで、ミリネをさらっておいて、その傍をはなれたりしたんだ?」
「結界があれば安全だと油断したんだろう。各所移動している気配があったから、他に召喚師が生き残っていないかと焦って探してたんじゃないか。これだから人間ってのは浅はかだと言われるんだ」
 そんな風に言われてるんですか、人間は。
 つまりまあそれで、捕らえてるはずのミリネの姿がないのを確認して、自分も姿を隠したってわけかな? 最初からサンレイクの結界の中に連れて行っちまえば、ミリネも逃げ出すことなんてできなかったかもしれないけどなあ。
「じゃあミリネとサウロは別行動だな。先に中央に向かって……って、別に一瞬で移動できるなら、どこにいても一緒なのか」
「左様。だがお前らの動向をより精密に知るには、やはり近くにいた方が何かと便利かもしれんから、中央には向かうがな」

「待ちたまえ」

 なんだなんだ。
「ディク先生?」
「そこの従属、サウロとやら。キミはここに残る気はないかね」
「何ィ!?」
 サウロ仰天。ディク先生は苦手そうだな、お前。
 でも、どうしてサウロを残すんだ?
「状況を逐一私に伝えることの出来る存在がひとり欲しいところだ」
「どうして?」
 オレの言葉に、ディク先生は相変わらずのクールフェイスで軽く首を傾げる。
「事情を知ったからには、私にだって何か協力できることがあるはずだと模索中だ。仲間は多い方がいいだろう? コーラス」
「え、でも……」
 それは危険も伴うってことなんだけど。
「私もこの国の一員なのでね。得体の知れない輩に、好き勝手されて黙っているほど日和見主義ではないのだよ。場合によっては、私もかなり使える人間だと思うぞ? だが現状、私はすぐにここから動ける状態ではない。だから、キミたちの事やおかしな動きを知らせてくれるサウロが必要だ」
「冗談じゃない!! オレ様はお嬢を守るという重大な使命があるんだ!!」
「窓代だと思えば安いものだろう」
 ディク先生の家の窓、一体いくらなんですか……。
「……ううむ。ならオレ様ではなく、他の召喚獣でよかろう」
 なんですって。
「召喚獣、この辺にいるのか?」
「間抜けなことを言うな!! お嬢が持っている召喚獣はオレ様だけではない!! お嬢はその身体の中に、7召喚獣を抱えているんだぞ!!」
 ななもいるんですか、そのからだのなかに!?
「この人間と気が合うとすれば……エラールあたりが良かろう。お嬢、それでいいか?」
 ミリネが黙って頷く。
 その額が、カッと縦に割れた。

 うひいいい。
 いつ見てもその光景、慣れないんですけど。

 割れた額は深紅の宝石がはめ込まれたみたいに輝いて、その宝石のようにつややかな赤色は、ミリネの額からドロドロとアメーバ状になってミリネの前に流れ出してきた。
 それがうねうねと動いて、何かの形をとり始める。
 それは何ですか、ウサギですか?
 腐るのが早いあのモンスターとは違って、普通のウサギのように見えなくもないけど。深紅のウサギってのも凄いな。

「ご対面は初めてですね、皆様。アタクシ、ミリネの召喚獣いちの美女エラールと申しますのよ。以後お見知りおきを」
 自分で美女とか言うかな。美女とかいう単語で表現するのもちょっとズレというか、そもそもウサギのどこを取って美女かそうでないか判断するのが難しいんですけど。
 でもまあつまり、女性なのだな。
 ミリネの召喚獣って、みんなこんななのかな……。
「ディクさんというのはアナタですね。まあ、聡明そうな方。確かにアタクシとセンスが合いそうですわね。彼らのことは、アタクシにお任せくだされば、いつでも新鮮な情報を差し上げましてよ」
「そうか。よろしく頼む」
 ディク先生、もうウサギな彼女を受け入れている姿勢。この人って、物凄く思考が柔軟なのかな……。
 ていうかサウロ、気が合うというよりは、ディク先生に負けなそうな人選してないか、もしかして。
「とりあえずは、これで決まりだな」
「うん」

 しかし、こうやって仲間って増えていくものなのかね。
 事態が変わってきてるってのもあるんだろうけど、オレがシイナと知り合ったのだって、まだつい最近の話なのに。

 でもまあ、じゃあオレたちは中央に向かうことにしようかね。




==椎名の呟き==
ディクとサウロも、それなりに合いそうな気がするんですけどね?

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