オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.38 コーラス・ブレイド ~目覚ましコールプリーズ

2007.02.01

「ただいま帰りました~」
 ブンブンと片手を振りながら事務のおねーさんに近づくと、相変わらず無表情の彼女は顔を上げてちょっと瞬いた。
「ああ、コーラスさん、お帰りなさい。いつもより遅かったですね……あら」
 オレの後ろをついてくる二人に目を留めたらしい。
 シイナには、確か出発のときに一度会ってるんだよな。そこいらで偶然出会っただけの設定だったから、まさか一緒にいるとは思ってもみなかっただろう。
「あの時のお嬢さん、今までずっと一緒だったんですか? まさかいいようにタラし込んで……」
 大人しい顔してなんてこと言うんだ、このおねーさんは。
「違う違う。ちょっと色々と目的とか気とかが合ったから一緒してるの」
「はあ……まあコーラスさんのプライベートには干渉しませんけどね。そちらの方は初めてですよね?」
 なんか、オレおねーさんから普段どういう評価を受けてるのか凄く気になるんだけど。
「こんにちは。ろの235番、エンデリック地区所属のハンターで、ついでに鍛冶屋営んでます、ソルダム・フォルセントザークです」
 にこやかな挨拶をするソルダムの言葉に、おねーさん即座に反応した。
「ソルダムさんって、コーラスさんがいつも剣を鍛えに行ってる、あの鍛冶屋さん!?」
「はい。今日はこちらに用事もあったんで、御所望のイエローストーンのグラスセットを自らお届けに参りました」
 冗談めかして言うソルダムに、何だか妙に輝く視線を送っていたおねーさんが、グルリとこっちに向き直った。
「コーラスさん! こんなに素敵な方だなんて、一言も言わなかったじゃないですか! ズルいわ」
 何が!?
 オレの知り合いがいい男だと、いちいち申告しなけりゃいけないのか!?
 ていうか、そうですか、ソルダムは素敵な方、という評価に値するんですね。オレ、男を見た目で素敵とかどうとか判断する習慣がないモンで、今いちピンと来ないんだけど……。そりゃ、ディク先生くらい派手に目立つ人だと話は別だけど……って、あの人は男ですらなかったな。
 まあね、見た目はともかく、ソルダムはいい奴だけどね、実際。
「いやあ、顔だけで商売は出来ませんから。でもそう言っていただけるのは嬉しいですね、お嬢さん」
 あくまでにこやかなソルダムに、おねーさん明らかにわかるくらいに照れてる。というかむしろ嬉々としているというか。なんだなんだ、この扱いの差は。つうかソルダム、否定もしないんだな、お前は。
「大丈夫だ、コーラス。客観的に見て、お前は見た目も腕も並以上だから安心しろよ」
「そりゃどーも……」
 今このタイミングで、お前に言われるのが一番嬉しくないぞ、ソルダム。別にひがんでるわけじゃないし。決して。
「いつかソルダムさんとお話したいと思っていたんですよ! 私たちの間では、ソルダムさんの作品が大人気で……食器の最良の扱い方なんて話もお伺いしたいなんて、普段から……」
 食器の扱いなんて、別に鍛冶屋に聞かんでもいいだろーよ。素直にいい男とおしゃべりしたいと言いなさい。おねーさん、今が職務中だってこと、忘れてるだろ。
「んー、でもコーラス、用事あるんだったよな?」
「うん、まあ。ソルダムにもついてきてもらおうかと思ってたけど、ちょっとお願い事するだけだから、ここで話しててもいいよ?」
 なんか、ここでソルダムを連れ去ったら、オレが恨まれるような気がする。
「そっか。じゃあこっちのギルドの状況とかも見ておこうかな。ポーラス中央は初めてだから」
「うん、それがいい」
 そうは言うけどなかなか放してもらえないかもよ。
「まあいいや、じゃあおねーさん、ウェルバー様にお目通り願いたいんだけど。今上にいるのかな?」
 声を落として言うと、事務のおねーさんはちょっと表情を変えた。
「ウェルバー様に……? どのような御用件で?」
「いるなら、目覚ましコールですとお伝えくださいよ」
 ス、と、おねーさん無表情に戻る。さすがプロだね。
「御意に。お待ちください」
 立ち上がったおねーさん、事務カウンターの後ろの壁にあるマイクをオンにして、小声で何かを話してるようだ。
 ややあって、クルリとこちらに向き直る。
「では案内させますのでどうぞ」
「ありがと~」
 カウンターの奥にある通路から、ふたりの男が出て来る。うーん、彼らを見たのは初めてここに来た時以来かもしれないなあ。
「そんじゃちょっと行ってくるよ」
 ソルダムに片手を挙げると、彼もヒョイと手を挙げた。
「はいよ」
「じゃあソルダムさん、早速手の空いてる者にお茶を入れさせますので、もちろんソルダムさんのグラスセットで……」
 ホント、変わり身早いね、おねーさん。

「なんだ、今のやりとりは?」
 オレの後を歩くシイナは、いかにも不可思議そうな顔をしている。まあ、そりゃそうか。
「ああ見えて、あのおねーさん実はウェルバーさん直属の秘書なんだよ。普段はああやって総合の受付なんてやってるけどね。で、ウェルバーさんってのは、ここ、中央ギルドの総督」
「総督……」
 多分シイナは知ってるんだろうけど、今では各国に支所を持つハンターギルドを最初にたちあげたのは、ここポーラス中央だ。つまりはここが、ハンターギルドの総本山。で、そこの総督ってのは、つまりがハンターギルドの創始者からその役目を受け継いでいる人間で、早い話がポーラス中央の総督ってのは、ハンターギルド全体の総指揮者ってことになる。
「目覚ましコールってのは、まあオレたちの暗号のようなもの。来たるべき日のためにお互い示し合わせておいた、ね」
 意味のわからなそうなシイナには、実際にその目で確認してもらうこととして、だ。
 オレたちはひたすら上へと続く階段と廊下を、案内人の後をついて歩いた。





==椎名の呟き==
主要人物が、気味悪いくらいにみんな美男美女ですかね。
コーラスだってそこそこだと思うけど、要はおねーさんにとって見慣れているというか、いい顔するとつけあがるとか思われているのか。ナゾ。

★『コーラス・ブレイド』最初から読みたい方はこちら★


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