オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.39 コーラス・ブレイド ~たなぼた

2007.02.03

 実は結構縦に長いポーラス中央ギルドの最上階付近の大きな扉の前に立つと、シイナが微かに眉を潜めた。
「……結界?」
 さすが魔法師。
「うん。精霊石を使って作ってある。フリーの魔法師の力を借りてるだけだから、あまり強いものじゃないんだけどね。一応要人だから、警護の意味で」
 総督のお部屋ですから。
 部屋の内側外側から結界を張ったり解いたりすることが出来るように、機械工学と魔法力をコラボさせてるから、結構手が込んでるんだよ、これが。この部屋の結界を総体的に自由に扱えるのは総督ひとりだけだ。結界が張られている部屋には、例え扉を壊しても他者が入り込むことは出来ない。……多分、召喚師は別だろうけどね。
「ウェルバー様、お連れしました」
 部屋の中に通じているマイクに案内人が呼びかけると、すぐに応答がある。
「関係者以外はいないのだろうな?」
「はい。への153コーラス・サンレイクと、彼が認めた同行人1名のみです」
「よろしい。コーラス・サンレイクと同行人1名、入りなさい」
 重たそうな両開きの扉が開くと共に、多分結界が解かれたんだろう。シイナが少し、表情を変えた。
「案内ご苦労だった。呼ぶまで外しなさい」
 ウェルバーさんの言葉に、案内人は無言で一礼して扉を閉めた。バタンという硬い音と一緒に、多分結界も元通り張られたんだろうけど、オレにはさっぱりわからないんだよね。
 3人だけになった部屋で、部屋の奥の総督席に座っていたウェルバーさんが立ち上がった。オールバックできっちりまとめられた典型的な初老の顔は、相変わらずだな。

「良くぞおいで下さいました、サンレイク国王陛下。と、ここでの再会は喜ぶべきことではないのかもしれませんが」
 うやうやしく胸に手を当てて首を垂れる彼の洗練された仕草も、相変わらずだ。懐かしさすら感じるなあ、なんて、そんなに長いこと会ってない訳でもないけど。2年半ぶりくらいだし。
「何しろ『目覚ましコール』ですからね」
「ええ……」
 んーとまずは紹介しないと、だよな。
「彼は……彼女はシイナ・ウエスコット・デラ・ウィザーズ。白の塔のマスター継承権を持っていた魔法師で、壊滅した塔の生存者です」
 ウェルバーさん、微かに顔色を変えた。
「やはり……白の塔も壊滅していたのですか。陛下が2年半前、ここを訪れる直前くらいから、国と白の塔の連絡が取れなくなった情報が入ってきておりましたので……まさかとは思っていたのですが」
「ええ。私がシイナと会ったのは偶然ですが、白の塔とわが国の壊滅がほぼ同時期であるらしいことを考えると、一連の事件として認識するべきかと」
「そうですな」
 オレは、シイナの方に向き直る。
「シイナ。こちらはハンターギルド総督のマジュレ・ウェルバー殿だよ。サンレイクが唯一交易を持ってたのがハンターギルドでね。国があった頃から懇意にしていただいていて、オレも幼い頃から何度も顔を合わせていた」
 各ギルドの結界に使われている精霊石は、サンレイクから輸出されたものだ。
 オレがサンレイクを放り出されてからレーデンバルムの方に向かったのは、近かったってのもあるけど、ポーラス中央ギルドに向かうためでもあったんだよね。唯一状況を知らせられる知り合いは、彼とその周辺くらいしかいなかったから。
 だからソルダムのところで半年ほど厄介になった後、馴染みのよしみでハンターとして一般人の中に紛れ込ませてもらった。言わば恩人であるわけだ。

 シイナがウェルバーさんに向かって手を差し伸べた。
「初にお目にかかります。白の塔所属の魔法師、シイナと申します」
「ようこそ、シイナ殿。ご無事で何よりでした」
 無事というべきかどうか。ウェルバーさんが手を握り返したその女性、中身は男なんですよ。
「目覚ましコールということは、やはり現在起こっているモンスターの異常行動は、3年前の事件と関係していると見て良いのでしょうかな、陛下」
「おそらく」
 大人しくしていたシイナが、急にオレの肘をつついてきた。
「だからその目覚ましコールってなんだ? コーラス」
 これから説明するってば。話の流れを構築するのも大変なんだからな。
 と、ウェルバーさんがオレに先んじて口を開いた。
「陛下がここを訪れた時に、私はサンレイクの惨状を耳にしましてね。同時に各所で破壊活動が起こっていた。その後ぱったりと騒ぎは収まりましたが、あの破壊はもっと先の、更なる厄災の前兆でしかないのではないかと踏んだ我々は、そうなった時には全勢力をあげて対抗しようと、確約していたのです。いつか、何かが起こった時には力を合わせるべく、会談の場を持とうと。目覚ましコールというのは、その時来たるという合図の言葉なのですよ」
「その言葉、考えたのコーラスだろ……」
 えー。なんでわかったんだろ。
「私がシイナと知り合ったのはつい最近なのですが、たまたまこのシイナをつれてエンデリックに預けた精霊石を取りに行ったおかげで、思わぬ出会いもありました」
「思わぬ出会い?」
「召喚師が、こちらに接触を図ってきたんです」
 あそこで。召喚師であるミリネが自らオレたちの前に現れたのは、色々な状況が重なっていたせいだろう。ありえない場所での精霊石の反応と、それを持つ、ミリネ言うところの綺麗な人間の気配、そして何よりも、ここ最近になって頻発していた怪しい気配。それがなければ、ミリネだっておいそれとオレたちの前に現れたりはしなかったはずだ。
「召喚師が……」
「ええ。その召喚師のおかげで、ここ最近怪しい動きを繰り返す、大きな力を持った人間の存在を感知することが出来ました。そしてそれが、3年前のあの事件と関係している者であろうということも、予測できるに至りました」
「なるほど……。では、その召喚師の協力も仰げる、ということでしょうかな」
「はい」
 今、ここに呼べるかなあ。
 呼んだらウェルバーさん驚いちゃうかな。でも百聞は一見にしかずとも言うし、ミリネにも正式に協力を依頼した方がいいような気もするし。
 呼んじゃうか。

 ミリネー。ついでにサウロー。
 ここに来てくれないかなあ。




==椎名の呟き==
総督室でのお話は続きます。
話の流れ的に、真面目っぽい展開が続きそうかなあ。どうかなあ。

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追記
ぎりぎり2日中にUPできるかと思ったのに、PC機能のPOPリンクにジャマされたあ~~!!
悔しい~~~~!!!
たまにほんっとに邪魔な時あるね、これ。悪いけど。
切っとけばいいのかもしれないけどさ。
ぷんぷん。
(そのギリギリ進行をまずどうにかしなさいよ)


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