オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.44 コーラス・ブレイド ~二日酔いと魔法酔い

2007.02.09

「まさか、オレがお前に敵わないことがあるなんてなあ」
 快晴で迎えた朝。
 テーブルで頬杖をつくソルダムの表情は、疲れ切っている。
「敵わないって?」
「酒の強さ」
 ……そうですか。これって自慢になるかな。
 ていうかその言葉、他のことではオレはお前にまるで敵わないという解釈でいいのかな、ソルダムくん?
「わかりやすい顔で怒るな」
「別に~」
 とりあえず水をくれ、と呟くソルダムは、どうやら二日酔い。親切にも使われてやるオレは、まったくもって元気なんだけどね。
「この分じゃシイナもエラいことになるかな……」
 ベッドに転がったままのシイナに目を向けたら、タイムリーにゴソゴソと動きを見せた。ムクリと、だるそうに起き上がる。
「……気持ち悪い……」
 あ、やっぱり。
「シイナも水飲むか?」
 ようやっと身体を起こしたものの、俯いたままのシイナに声をかけると、フルフルと首を振ったシイナがこっちを見た。
「なんだ、ソルダムは二日酔いか。弱いな」
 シイナ、人のこと言えないだろ。
「お前だってそうじゃん」
 オレの言葉に、シイナはクッと目を細める。
「オレのは違う」
「は?」
 どう違うんだ。
「魔法力があるってのも、便利なんだか不便なんだかな……。お前ら気付いてないだろうが、今朝になってからそこいら中に変な気が漂ってるぞ」
「なにそれ……」
「魔法師ってのは、魔法力に敏感なんだよ。だから魔法師同士ってのは、すぐにわかるもんだ」
 へえ。でもそれって、白の塔にいた時とか大変だったんじゃないのか。周り中魔法師だらけじゃん。
 そう言うと、シイナはまたも首を振る。
「別に普通の魔法力なら感知は出来てもどうってことはない。けど今朝のこれは、質が違う」
 そういうものなのか。
 って。
「一体何が漂ってるって? 何の話だ?」
「嫌な気だ。言葉で言うなら悪意みたいな質のものが、ガンガン押し寄せてきやがる」
「……それって……」
 ソルダムが、おっくうそうに立ち上がった。
「なんか行動起こしてるんじゃないのか。お前らが追ってるうちの誰かってヤツが」
「そういう感じの気だな」
 うげ。
「何だそれ。シイナお前呑気すぎ!」
 だったら早く、えーと、どうすればいいんだ。
 とにかくあれだよ。そいつがどこで何をやろうとしてるのか、何が起こりつつあるのか調べなきゃならないじゃん!
 でもどうやって?
「焦るなっつーの。オレが感じるくらいなんだ。かなりでかくて近い。今どういう動きしてるのか見極めてるんだから、ちょっと待て」
 待てって言われてーもー。

「大変だァ――ッ!!」
「ミリネがかどわかされたか!?」
 バーンと家の扉を突き破って飛び込んできたサウロに、条件反射で叫び返してしまった。
 うう、今ならディク先生の気持ちが良くわかる。
 お前は壁になるものを壊さなけりゃオレたちのところに来られないのか。玄関壊されたワンルームって致命的だぞ。でもそういえば、オレたちが室内にいたとしてもミリネはいつも瞬時にオレたちの目前に現れるけど、サウロが単独で来る場合は毎回何かを突き破ってくるな。召喚師と召喚獣の差がここにあるのか。
「そうそう何度も不覚を取ってたまるか!! というか前回のアレは、お嬢がわざとだな」
「わかったわかった。で、何が大変?」
「このイヤな気に気付かんのか、鈍感坊主が!!」
 普通の人間には無理です!!
「いや、シイナが気付いてたけど、それがどうしたって? 何かやった?」
「だったら何をのんびりしてんだボケ――ッ!! こんなところでくたくたしてる場合じゃねーだろ!!」
 サウロの口調が乱れている。初めて会った時みたいだな。ということは、かなり動転して、ついでにご立腹ということなんだろう。うん。
「オレたちは召喚師みたいに事細かに感知できないんだよ。今探ってたところだ」
 シイナがイラついたようにこめかみを押さえる。
「これだから人間ってのは!! 今動いてるのは、お嬢をかどわかしやがった張本人だ!! 各地を高速で動いてやがる!!」
 うわあ。早いお出ましだ。
「各地……? オレが感じた力は、ごく至近距離だったけど」
 顔を上げるシイナに、サウロは食って掛かる。
「さっきここいらに来て、またすぐ移動したってことだ!!」
「それでもこんなに気を残してるのか……」
 怒りに任せて怒鳴り散らすのに疲れたのか、サウロは一瞬バサリと羽を広げて、すぐさまため息をついた。むしろ深呼吸か、それ。
「この気は、モンスターを呼び寄せる。グズグズしてらんねーぞ。ヤツの気配は召喚師が追えるが、すぐに街の中にまでモンスターが来やがるぞ」
「ええ!!」
 それはちよっと、いやかなり困るじゃん!!
「すぐに動ける準備をしとけ!! オレ様とお嬢はヤツを追う」
「わかった」
 オレが頷いたのを見て、サウロは速攻壊れた扉から飛び出していってしまった。……修理代、請求できないよなあ。

「いーい具合にテンション保ってるぞ~。二日酔いのオレをナメんな」
 ソルダム、底意地の悪そうな微笑みを空に向ける。
 えー……。お前、調子良くない時に燃え上がるタイプ?
「とりあえず、街中をチェックだな。中央ギルドにも報告しないと」
「はいよー」
 オレたちは、頷きあって小さな家を飛び出した。





==椎名の呟き==
もともとそういうつもりで書いてますけど、呑気ですね、アンタら。

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