オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.45 コーラス・ブレイド ~それぞれの開口一番

2007.02.10

 サウロはモンスターの襲撃に備えろと言っていたけど、街の中はまだ静かだ。でももし街中でモンスターが暴れだしたりしたら、人間には逃げ場もない。今までモンスターが人の居住区に入り込んで暴れるなんて現象は、ほとんど無かったからなあ。もちろん、ほどほどにというレベルだったら沢山あったけど。モンスターだって、自分が危険になるようなことはみすみすしないだろう。

「おねーさん、ちょっと緊急事態!」
 中央ギルドの受付にたどり着くなりオレは叫んだけど、すでに事務のおねーさんは、緊急招集に応じたハンターに指示を飛ばしまくっていた。
「……は北の森入り口封鎖、けの502、その114、ぬの265は東門で待機、あとは街の外で沈静作業をお願いします……あらコーラスさん」
「情報早いね」
 おねーさんはフウ、とため息をつく。
「あなたがそうするように打ち合わせたんじゃないですか。ここ中央はまだ何も起こってないですけど、すでに各地ハンターギルドから警報来まくってますよ。モンスターが街中に侵入してきているって。総督が警戒するようにと打診した直後ですから、もたついている地域もあるようですが」
 打ち合わせたって……確かにそうだけど、総督殿、もう各地に伝令済ませてたのか。昨日の夜のうちに? 仕事速いなあ。
「こっちはまだ大丈夫みたいだね。どうしてだろ」

「召喚師がすぐさまモンスターの沈静に当たったからだ。早くに襲撃を受けた各地の被害ももう減少するはずだ」
 飛来した深緑色の鳥が、俺の肩に止まって小さな声で告げる。
「サウロ」
 こっちもやること早いな。速攻じゃないか。召喚師は離れていても一瞬で意思の疎通が完了するらしいから、当然といえば当然か。
「モンスターの行動に関しては本来傍観するべきだが、こうも例外的に暴れられては、莫大な被害が出るからな。仕方がない。……それはそうと」
 サウロが肩からオレを見た。
「お嬢がヤツとの接触を試みている。お前たちも来い」
「ええ!? 危なくないのか!?」
 そんな、ミリネひとりでなんて。
「召喚師をなめるなと言っている。どんなに力のある人間だろうが、召喚師に傷など負わせることは出来ん。そして、召喚師の作る結界を破ることもな。とにかく急がんか、ボケ!!」
「はいはいはい、場所はどこなんだ」
「こっちだ」
 本来一瞬で空間移動出来るサウロは、オレたちが走る速度にあわせて、目前を翼で移動する。
「破れない結界が張れるなら、どうして大樹海は襲撃受けたんだ? わざわざ逃げ出さなくても良かったんじゃ」
「その方が良いと判断したからだ。そうでなければ、おそらくこの先何度でも襲撃を受けることになるだろうという予測も出来たし、思うところもあった」
「思うところ?」
 前を飛ぶサウロは、一瞬首だけをこっちに向けてカッとくちばしを開いた。
「話は後だ! つべこべ言わずついて来い!!」
 どこまで行くんだろ。街中って訳にはいかないとは思うけど。
「シイナ、ついてこられるか?」
 結構体力ないはずだよな、その身体。
「問題ない。精霊石のおかげで、魔法力の調整が簡単になった。走る程度の高速移動ならなんてことはない」
 へええ……。実際、シイナの魔法力って、ホントに強いらしいなあ。
「お嬢は姿を見せてしまったが、他の召喚師の存在をヤツに知らせるわけにはいかん。状況がどう転ぶかわからんうちはな。だからお嬢は、ヤツとの接触を自ら試みることにしたんだ。おそらくヤツは、今もお嬢を探して各地をほっつき歩いていたんだろうからな」
 え、そうなのか。
 だけど、滅ぼしたはずの召喚師が生きてて、それに驚くのも、慌てて確保しようとするのも、わからないわけじゃないけど、なんでそんなに探すほど召喚師に執着するんだ? そいつは。
「……近いな」
 中央地区の南の森をいい加減深く入った場所で、シイナがちょっと眉を寄せた。魔法力を感じているらしい。
「あそこだな……気をつけろ」

 暗い森の中に立ち尽くす、ミリネの小さな後姿。
 そこから少し離れた場所で、やっぱり立ち尽くしているように見える、フードを目深に被った……おそらく、人間の男。
 あれは。
 あれは、あの男は。
 まさか、まさかこんなところで。

 こんなところで、あいつに出会うなんて。

 ミリネを凝視している蛇のような瞳が、驚愕に歪んでいた。
 そして、ミリネに向かって叫ぶ。
「なぜ召喚師が生きているのだ!! モーラは生きているのか!!」

「やはり貴様か!! 気配が違っていたからわかりにくかったがな!! 人間の分際で大樹海を焼いた落とし前はつけてもらうぞ、ダーゼオン!!」

「トロイア貴様、オレは忘れてねえぞ、憎たらしいその金の髪と、蛇みたいな灰緑の目!! 何故サンレイクを襲った!!」

「テメエ、アーザス!! オレの身体から出て行け!!!」

 サウロとオレとシイナは、そいつに向かって同時に叫んだ。
 って。……って?

 なんですって――――――ッ!?





==椎名の呟き==
ぐだぐだです。やっとここまで来ましたが。

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