オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.48 コーラス・ブレイド ~何だか会いたくなります

2007.02.14

「貴様は大樹海まで足を運び、密かにモーラだけに結界を張ったな。そして何年もそこで生かされたという恩も忘れ、大樹海を焼き払った」
 あ……なるほど。だから大樹海の場所知ってたのか。
 なんでだか知らないけどモーラという召喚師に命を助けられる場面があって、そして大樹海で生きてきた、と。だよなあ。オレなんかもちろん場所を知る機会なんて無かったけど、そこを目指そうなんて考える興味本位の人間は、誰も発見できてないもんな。大樹海。
「人間の張る結界なぞ、エルフには効かん。物理的に魔法や暴力で傷つけられれば命にも関わるが、エルフの張る結界を通すことはできんし、当たらなければ意味がない。それはモーラですら、貴様には教えてなかったな」
「……」
 エルベルンが、無言で空を見つめた。
「……何だと……」
 信じられないって顔だ。
 エルフに魔法力が効かないってことが? それとも、モーラが自分に教えてないことがあったって事実が?
「まあエルフは結界を張ることはせずに全員がそこから逃げおおせた訳だが、モーラは」
 ギロリと、サウロがエルベルンを睨みつけた。
 眼光鋭く応対しても所詮鳥なんだけど、鳥は鳥で目つきが悪い。
「……モーラだけが、貴様が自分に張った結界を解き、貴様の破壊魔法を甘んじて受けたんだ」

「……!!!」

「個々でありひとつでもあるエルフは、それでも性格というものは持っている。……召喚師たちは何度も反対した!! 人間個人に肩入れしすぎるなと!! 大樹海で住まわせるなど、言語道断だと!! だがモーラは貴様を保護することをやめなかった。その心を癒すことに専念した」
 バサリと羽を広げるサウロに対し、エルベルンも片手で大きく空をなぎ払った。辛抱たまらんという感じ?
「そうだ。エルフたちはこぞってモーラを弾劾し、責め立てた!! あの心優しい彼女を!! 人間を見下し、それに手を差し伸べる存在を、許さなかった!! だから私は……!!」
 だから、モーラをエルフたちの社会から救い出す、という理由をつけて、大樹海を焼き払った? やっぱり無茶苦茶じゃないか。
「その優しさの結果がこれだ!! モーラの行動が、結局は貴様の盲愛を産んだ!! だから、だからモーラは、その『結果』を、ひとりで受けることを選んだんだ!!」
 俗な言い方をしてしまえば、責任をとって?
 こうなってしまった原因が、自分にあるから?
「……こうなってくると、逆にそのモーラさんってのに会ってみたくなるな。ここまで盲目的に人に愛される女性ってのは、一体どんなだったんだよ」
 あまりにも呑気なご意見。発したのはソルダムだ。
 いやそのね。オレも実は、それって思うところなんだけどね。
「そりゃあモーラは見た目は上等だ!! 人間などとは比べるにも及ばんわ!! 性格も聡明でしとやか、非の打ち所のない完璧な!! だがそんなことは、エルフ全体に言えることだ」
 相変わらずオレ様意見だな。別にお前が褒められた訳じゃないだろう、サウロよ。
 召喚獣ってのは、自分そのものよりも、召喚師に誇りを抱いてるものなのかね。ミリネのことも凄く誇りに思って大事にしてるみたいだし。
「モーラ自体、そんなに個性があるわけじゃない。こうなってしまった理由は、モーラ自身ではなく、ヤツの生きてきた環境にある」
 あ、やっぱりそこも重要だよね。
 共に危機的状況に陥った男女には愛が芽生えやすいって話だし。って、これはそういうケースでもないか。
 なーんか、根が深そう。
「召喚師たちは、モーラを止めようとはしたが、モーラ自身に責があるとは考えていなかった。だがモーラは自身の招いた事態を清算するために、貴様の下らん情念を甘受した!! 他の誰でもない貴様が!! モーラを殺したんだ!!」

「違う、違う違う!!!」

 違わないってーの。
 と、わなわなと震えたエルベルン、その両手に一瞬で生まれた赤い光を、オレたちに向かって放出した。
 うわ、タメなし!!
 少し離れた場所にいたシイナが、瞬時にこっちに移動してくる。
「コーラス、サウロ、そこを動くな!!」
 多分それは結界。
 シイナの作った透明な壁? が、その赤い光をそのままエルベルンへと撥ね返した。けどその壁は、その力を受けて瞬時に消え去る。撥ね返されたその力を、エルベルンは横に避けてやりすごした。
 なんか、息が上がってるように見えるのは気のせいかな?
「ミリネ!! 躊躇するのはわかるが、その男に手加減などしなくていい!! 守っているだけでは埒が明かないぞ!!」
「……」
 シイナの言葉に、ミリネがほんの少し、悲しそうな表情を作る。
 あ、そうか。ミリネも結界か何かで守ってくれてたのか。
 しかも、エルベルンの身体はシイナのものだ。そりゃあ躊躇もするってものだろう。きっとミリネ自身、できれば人を傷つけたくはないんだろうし。
 オレだって困ってる。
 どうもエルベルンの力が弱ってそうに見える今、なんとなくやって出来なそうな感じはないんだけど、できればあの身体を傷つけたくないんだけど。
 シイナに言うと激怒されそうだけどね。
「そうだな、お嬢。遠慮することはない。他を攻撃するは召喚師の本意ではないがな。身体を変え、我らをたばかった愚か者だ」
 そういえば、大樹海を焼いた時も偽名使ってたんだよな。そんでもってエルフたちがエルベルンに気付かなかったということは、魂の秘術か何かで、身体も変えてた可能性が高い。多分モーラだけが、彼に気付いたんだろうな。
 で、そのあとすぐにシイナの身体を乗っ取った訳だよな。そんな高等な秘術、連続使用しちゃって大丈夫だったのかね。

「理論上、エルベルンは限界を迎えてるはずだ。今逃がすわけにはいかない」
 シイナがエルベルンへと向かった。
 理論上って何!?
 ていうかちょっと待て、待ってくれってばシイナー!!





==椎名の呟き==
シリアスな言葉の応酬中、あまりにその場にそぐわないコーラスのモノローグ。でも実は往々にして、そんなものだったりしません?w

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