オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.53 コーラス・ブレイド ~日曜大工のオジャマ虫

2007.02.21

 外は珍しく雨。
 真冬のこの時期に雨って、物凄く寒そうで嫌だなあ。実際は、今日あたり普段より全然暖かいらしいんだけどね。
 鬱陶しいというか、陰鬱になるというか……。

 椅子に座ってぼんやりしてるオレの後方では、シイナがオレのベッドを占領して、やっぱりぼんやり奥の壁に寄りかかってる。
 ここのとこ、こいつがベッド占領してるせいでオレとソルダムはずっと床寝だぞ。この間までは女の子の格好してたせいで、何となくそれで当然みたいな気になってたんだけど、よく考えたらシイナひとり勝ちじゃないか、それって。
 わかってんのか、コラ。
 なんて心の中だけで悪態ついてみてもな。
 何となく今、シイナと話しにくい状況なのはつまり、オレにシイナに対する負い目がある、せいで。

「コーラス」
 ふいに声が掛かってびくりとしてしまう。いかんいかん、うっかり肩飛び上がらせたりしてないだろうな、オレ。
「なんだ?」
 何気ない動作で振り返る。
「何か言いたいことがあるんじゃないのか。お前。昨日から殆ど黙ったままで、辛気臭い『何か言いたいオーラ』が垂れ流しになってるぞ」
 辛気臭いってお前な。
 ……はああ。
「……いや。別に。ていうかその、な」
 うーん、確かにウザい、オレ。
「結構落ち込んでるんだよ。これでも」
「なんで」
 速攻切り替えされると、なお話を展開しにくいというか何というか。
「……とりあえず、黙って聞けよな。……その、さ。オレは国にいる頃から、そんで国を失ってからも、まあいつでもなんだけど、剣しか取り得がなくてさ。だから逆に、剣だけは誇れるようにって、そうしてきたつもりなんだけど。結局」
 結局この剣で、シイナを傷つけてしまった。
 ケティさんの身体とシイナの身体と。一番したくないことだろ、それ。
 しかも。
 しかも、それは、オレ自身がやったことじゃない。
 オレはただ、そこに立ってただけだ。
 もしもオレが自分で、この剣を使ってシイナやケティさんを傷つけたのなら、かえってこんなに落ち込まなかったかもしれない。多分そこには、何がしかの思いや理屈だって存在したんだろうから。
 だけどオレは、何もしてない。
 オレが何もすることが出来なかったから、それをシイナにさせてしまった。
 自分で自分を傷つける――なんてことを。
 自分で自分の命を捨てるなんてことを。
 あれほどためらうなと、説かれたしわかってもいたのに。
 オレには絶対にそんなことは出来なかったし、きっと今だって出来ない。
 これは、オレの弱さそのものなんじゃないか。

 そんなことをまくしたててしまってからチラリとシイナを見てみたら、彼は俯いたまま目を伏せてた。なんか、呆れられたりしたのかな。

「……それは不可抗力だろうが」
 あ、口きいた。
「何度も言うが、オレがお前でも、多分同じことしか出来なかった。それで多分、お前がオレでもやっぱり同じようにしただろうさ。勢いに任せた感心できない行動だったと今でも思うが、あの時にはそれしか方法を思いつけなかった」
 それを言うなら、とシイナはまた俯く。
「結局オレのやったことはケティを見殺しにする行為だ。あの時のオレが自ら死を選ぶということは、ケティをも殺すということなんだからな。だが結局ふたを開けてみれば、オレはこうやってのうのうと元の身体に戻って、ケティはエルベルンにさらわれてしまった。それこそ最悪な結果だろ」
 でもそれは、ケティさんの意志で。
 別にシイナが悪いわけじゃないと思うんだけど。
 でも結局シイナの行動を今こうやって肯定していても、それを行使してやることの出来なかったオレには、何も言ってやることはできない。
「そんなオレの浅はかさがお前の剣を汚した。それだけだ。お前はオレを恨んでくれたっていいんだぜ」
「そんな馬鹿なことを……」
 そっぽを向くシイナと、目をそらすオレ。
 何だかものっすごーく微妙な距離感があるんだけど。

「お前ら鬱陶しい」

 部屋を取り巻く陰湿な雰囲気とはトーンの違う声が、入り口から部屋の中を突き抜けた。
「ソルダム」
 どこからか持ってきた木材を、ガラガラとその足許にばら撒く。
「こんな狭い部屋の中に閉じこもって、何をうじうじ呟きあってるんだ、お前らは。若い子は元気に外に飛び出しなさい」
 狭い部屋って……そんなにはっきり言ってくれなくても。シイナじゃあるまいし。
「でも雨だし」
 陰湿なのは天候のせいもあるぞ、きっと。
「お前らに雨なんてかんけーないだろ。酒場でもどこでも屋根のあるところはいくらでもあるしな。オレはこれからこの壊れた扉を直したいの。外気直接吹き込むから余計に寒いんだよ空気が。お前らみたいないじけた男ふたりはジャマなことこの上ないから、どこかに出かけて来い」
 ええー……。てかさりげなく、寒いとか言われた。それってオレたちの雰囲気含めてって話だよな。
「とにかくどこへなりと外に出かけて、気の済むまで討論してから帰って来い!」
 ちょいちょいとつままれて、オレたちふたりは家の外へとポイ捨てされてしまった。こういう時のソルダムは、激しく強引だ。そりゃわかってはいるんだけど。ソルダムはオレたちのことを心配してるんだろうし。

 だけど、どこに行ったらいい訳よ、オレたちは。





==椎名の呟き==
どこへなりと行きなさいて!
今回でこの雰囲気払拭するつもりだったのですが、あえなく行数オーバー。
相変わらずしつこい作風です、椎名。
ホントそろそろ信じてもらえなくなってきてるかもだけど、これ『時々シリアスなライトコメディ』なんで!!<はっきりコメディとか言っていいのかね。実際これ。
こ、この辺の話さえ通り過ぎれば、きっと!!
技量不足で申し訳ない……orz

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