オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.58 コーラス・ブレイド ~手数の多さで安全運用

2007.02.28

 ディク先生の作ってくれた夕食は、あまりにもシンプルだった。
 一見、ソルダムとかオレたちの作るのと大差ないように見えなくもないんだけど。何故だかこれが、異様に美味いんだな。
 オレたちよりもほんの少し綺麗な形で素材を切って。味付けはあくまでシンプルに余計なものを使わず。これをきっと適量と言うんだろうな。素材の味自体が好きなオレだけど、上手に調味すると、ここまで素材を美味くすることができるんだなあ。
 感涙。
 オレとシイナが大食漢なのを計算してくれたおかげで、美味い美味いと食いまくるオレたちのせいで夕飯が足りなくなることもなかった。
 召喚獣率いるミリネーズもいたのに。
 もっとも、夕飯で表に出ていた召喚獣はサウロだけだったけど。こいつはミリネの参加する晩餐で、引っ込んでいたためしがない。
 おかげで人数が多いから座れる人口が少なかったんだけど、立ったままでも食べられるような工夫もちゃんとしてくれてたし。女性だからなのか職業柄か、繊細なセンス持ち合わせてるんだなあ、ディク先生って。
 ソルダムは馴染みだから知っているのかと思いきや、ディク先生のこういう一面を見るのは彼も初めてらしい。

 えーっと、そうだった。
 夕飯の味に感動してばかりもいられなかったな。うん。

「じゃあディク先生も、協力してくれるの?」
 食後のお茶まで用意してくれたディク先生に問いかけると、当然だという視線でオレの方に向き直る。
「そのためにここまで来たんだ。キミを助けると言っただろう?」
 有言実行。そういう人だとは思ってたけどね。
「それで本題なんだが」
 数少ない椅子に座ってもらっていたディク先生、おもむろに立ち上がった。
「戦闘要員の数が随分多いようだな。それほどに必要なのか?」
 ハンターギルドの総督と話し合った作戦に、疑問を示すディク先生。
 確かに、力の弱くなっている相手に、かなり多くの戦闘要員を用意している。この半分はサンレイクを囲む海での戦闘用で、対モンスター要員だ。島国という事を考えて、海での活動に強い人間を、ウェルバーさんが募ってくれていた。自ら志願してくれた人間も多い。彼らの援護には、やっぱり水を得意とするエルフについてもらう。
「サンレイクの港から潜入するとして、おそらくそのエルベルンという魔法師が潜伏しているのは、城跡付近と見ていいのだな?」
「うん。城は精霊石を下地とした高台に立ってるからね。港からも一番遠い位置だし、精霊石が守り石の役目を果たしてくれる」
「守り石というのは、こちらにとって不利な存在ではないのか?」
「本当にお守りみたいなものなんだよ。エルベルンだって、城を襲った時にはものともしなかった。無いよりはマシかなって、その程度なんだよね」
 魔法の威力が多少弱くなるとか、その程度のものなんだけど。それでも今のエルベルンにとっては必要なんじゃないかな。
「サンレイク潜入には、もちろんエルフも連れて行く。戦闘要員も大量投入するけど、彼らはサンレイク内にいるかもしれないモンスター対策。城にはオレとシイナ、ミリネとその召喚獣と数名のエルフで行く」
 敵はエルベルンひとりだけど、彼が放つモンスターの数は把握できない。大量にモンスターの活性化を図る力は残されてないかもしれないけど、モンスターは人間の負の感情にも左右されやすい特性があるし、油断は出来ない。
 余裕に見える戦いに必要以上に人員を割くのは、決して無用の被害を出さないためだ。サンレイクを襲う直前の、力のある状態の相手が敵だったらそれは逆効果にもなり得るけど、今回はそうじゃない。
「結界の外には出られないようにするから、一気に片をつけるよ」
 オレにはそれが、出来る。
 サンレイクの結界を知り尽くしている人物がいることにまで、エルベルンは多分気が回っていない。この『オレ』が生き残っていることも、三年間知らずにいたんだろうから。
 これまでは、相手がどれほどの力を持っているのかわからなかったし、ひとりでは結界を解くのに難儀するのがわかってたから手を出せなかったけど、今は違う。協力者がいるし、何よりもエルフの存在がある。彼らがいなければ、今でも手をこまねいていただけだったかもしれない。
「ということは、ソルダムは戦闘員の方に組み込まれているわけだな」
「その通り」
 ソルダムは、エルフと交信を図りつつ戦闘員の指揮にあたる。
 それを確認して、ディク先生はニヤリと笑った。視線はテーブルに置かれた小さな地図に注がれている。サンレイク全体の見取り図だ。
「ならば私も、その戦闘員と共に陽動に当たろう」
「え?」
「サンレイクの面積を考えれば、港から城まで移動するのに一日近くかかるだろう。その間出来るだけ敵をひきつけた方がいいだろう? 私はなかなか適任だぞ。戦闘員が守ってくれるのなら、何の問題もない」
 確かにそれは心強いけど。
「やらせとけって。前にも言ったけど、こいつを女だと思うなよ。でもって、戦闘向きじゃないが、それをサポートさせればかなり優秀だからな」
 任せて大丈夫だ。
 ソルダムはそう言って笑った。なら本当に大丈夫なんだろうな。
「それじゃあ、よろしく頼むよ。オレたちは港から城まで一気に主要道路を通って抜けていく。おおよそ歩く速度でね。それだけわかってくれてれば、方法は任せるよ」
 ディク先生やソルダムたちの部隊がモンスターをひきつけてくれれば、こちらはかなり手薄の中を抜けられる。モンスターってのは直情的だからね。エルベルンはモンスターを活性化させて凶暴化を図っているのかもしれないけど、その行動までは操ることはできない。エルベルンだけでなく、人間には不可能だ。
 ディク先生は、満足そうに頷いた。
「信頼は裏切らんよ」
 うん、信じてますよ。
 こうやって自ら危険に身を投じてくれる、みんなの気持ちと強さをね。


 オレたちの出発は明後日の夜。先発隊は明日の夜には動き出すはずだ。
 これで、全部終わらせるぞ。必ずね。





==椎名の呟き==
本当に『ほんの少しだけ』形が良かったのかは、甚だ疑問ですがね。
ともあれ、また解説の回。ここでジョークのひとつでも飛ばせれば、一人前の男なのにね、コーラス(一人前じゃないのは椎名だ)。

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