オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.62 コーラス・ブレイド ~薄いよりは良いかと

2007.03.05

「面白い話してるんじゃん。オレも仲間に入れなよ」
 うおっと。
 草の陰からいきなり顔を出したソルダムに、マジで驚いた。
「サンレイクで鍛冶屋やれたら、仕事少なそうでいいじゃん」
 さっきの話、聞いてたのか。まあデカい声で言い合ってたから、近くまで来てたのなら聞こえても不思議はないけど。
 でもな、ソルダム。仕事少ないって言うより、仕事なさすぎて食いっぱぐれるんじゃないのか、サンレイクで鍛冶屋って。本来モンスターも少ない土地だしハンターギルドもないから、副収入もアテにはできないぞ。ていうか現在国自体が無一文なんですが。
「抜け駆けはズルいな。ソルダム」
 うわ、ソルダムの逆側から、ディク先生まで。
「私が王家付きの薬師になってやってもいいぞ。キミが望むのならな。もっとも、今すぐには無理だが」
 この人までどうした。ていうか、その王家ってオレひとりだし、その王様が多分ほったて小屋住まいなんじゃないですか、最初は。もうこの状況で、昔みたいな城なんてちょっと考えが及ばない。
 ていうか、なんでこのふたり、ここにいるんだ?
「こっちは殆ど片付いたぞ。ディクもか?」
「ああ。エルフの協力があったからな。こっちにモンスターは殆ど来なかったろう?」
 うわ、仕事速いなあ。城までまだ結構距離あるのにな。いくら少しばかり先行してたって、スタートはものの数分しか違わなかったはずなのに。
「どうやってこんなに早くモンスター片付けたんだ?」
 オレの質問には、ディク先生が答えてくれた。
「エルフが高速で移動できるからな。モンスターの嫌う匂いを出す煙玉を城付近まで運んでもらって、風を操っていぶし出したんだ。エルベルンがこの島に持ち込んだモンスターの種類は少ないみたいだからな。簡単なものさ。島中のモンスターを私とソルダムの二手にかき集めて、一気に片付けた。戦闘も無いことは無かったが、殆どのモンスターはエルフが沈静化させてくれたからな」
 召喚師さまさまだな……。
 そしてその煙玉というのは、もしかしてディク先生のお手製だったりするのかね。
「さすがだなあ」
 素直に感心すると、ディク先生はまんざらでもなさそうな様子で笑う。
「力になると言っただろう? 少しは役に立ってると思うが」
 少しなんてもんじゃないって。ソルダムもディク先生も、殆ど初対面のハンターたちを束ねてくれて、彼らを率いてモンスターをおびき出してくれて。ヤツらの相手をしながら城に向かわなければならなかったとしたら、オレたち滅茶苦茶苦労してたはずだよ。
「本当に助かってるよ。マジ凄いよな、ディク先生って」
 初めて会った時も、笑い死にしそうだったオレたちを簡単に助けてくれたしね。最初から今まで、感謝してばかりだ。
「そうか、凄いか」
 ディク先生、ニッコリと笑うと、そのまま踵を返して歩き出した。腰まである長い髪がフワリと揺れて、一度振り返る。
「ならばその信頼にお答えして、もうひと働きしてくるとしよう。キミの見据える未来を、私も共に歩けるようにな。……なんなら、嫁にもらってくれても良いぞ」
「…………はい?」
 ハハハハハ、と軽快に笑いながら、その場を去ってしまうディク先生。
 ……えーと。いつの間にそんなにサラリと冗談を言うようになったんだ。
「おめでとう、コーラス……。ヤツは本気だぞ……」
 全然めでたくなさそうな様子で、ソルダムが呟く。
 って。え? 本気って何が。
「惚れられたなあ、お前……。どこがツボだったのかな。実は一目惚れか? まあ、どんなことになっても、オレはお前の味方だからな。くじけるなよ」
 くじけるって何!! 一体これからどんな目に遭う訳? オレ!!
 ていうかマジなんですか、それ!!
「まああいつは無理強いをするヤツじゃないから大丈夫だよ。多分。……さて、ディクの部隊に遅れる訳にもいかないから、オレも行くかな。残りのモンスターも城周辺の包囲も任せとけよ」
 言うだけ言って、ソルダムもさっさと走り去ってしまう。

 一体、オレの身に何が起こっているんだ。

 呆然とするしかないオレの横で、シイナの肩が震えている。
 何笑ってんだ、お前。

「オレの言った通りだろう。お前の周りには人が集まる」
 震えるほど笑いを噛み殺しながら言われても。
「だが、案外ケティもお前みたいなの好みそうだからな。助けてやれたら……かなり面白くなりそうだ」
 面白がるな!!!
 ケティさんを助けるのはそりゃあ大前提だけど、その後で変な入れ知恵でもしてくれるんじゃないだろうな、この男は。
「私も参戦してもいいですか……」
 ぶは!!
 しゃべるのも珍しいミリネ、この子の冗談を初めて聞いた。
 まあ、エルフには恋愛感情が存在しないらしいから、これは本当に冗談だろう。サウロが黙ったままなのが、何よりの証拠だ。きっと、怒る気も起きない位にありえない話なんだな。
「集まるのはいいが、また濃い連中が揃ったもんだよなあ」
 お前が言うか、シイナ。
「しかし本気なのかな、ふたりとも……」
 いくら今すぐじゃないって言っても、こんなに何もない島国で。オレと一緒に精霊石を守ってくれるっていうのか? こんな、閉鎖的な世界になることが決まりきっているこの場所で。
「好きにさせてやれよ。嫌々やるような連中じゃないだろ」
 そうかもしれないけど。
「きっと上手くやれる。お前は自分とその周りにいる連中を信じろ。そしてそのための第一歩が、すぐそこにある」

 歩いて行くその先に、サンレイクの城跡がある。
 そこに、エルベルンがいる。
 そこを越えた先に、オレの道は、あるんだな。





==椎名の呟き==
実はディク、Vol.34あたりで既にコーラスに惚れてる行動を取っております。非常にわかりにくい女性ですが。
惚れられるとどうなるって、それはかなり謎ですけど、昔PBMで使ってた時は、物語の最後には婚約者を小脇に抱えて調教の旅に出てましたがね。
さて、そろそろこの物語も終盤です。70話になるまでには収束に向かうと思いますので、あと少しお付き合いくださいませ!

★『コーラス・ブレイド』最初から読みたい方はこちら★


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