オリジナル&二次創作の小説を、まったり速度でお届け。 最近ボカロ(KAITO)にハマって大変な噂です。

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Vol.6 コーラス・ブレイド ~意志を持つ石(寒)

2006.12.24

 なんだか力が抜けているところ、申し訳ないんですけどね。
「あのさ、お嬢さん」
「お嬢さんとか言うな」
「ああごめん」
 でも見た目お嬢さんなんだもんさ。
「あのさ、オレの精霊石欲しがってるみたいだけど、ムダだぜ? これオレの銘入りだもん」
 そう言った途端彼の目つきが変わった。
 うわコワ。そりゃ無理ないけどさあ。
「銘入りだと!? その歳で、どうやって」
「しょーがないじゃん。この精霊石の剣、オレの誕生祝いでもらったんだから」
 普通に誕生日の祝いとかではなく、生まれた時に祝いとしてもらった品だ。

 精霊石ってのは実に妙な鉱物で、一部では、意志を持つ無機物、なんて言い方をされていたりする。長年近くにおいて愛用していると、その使用者との相性がどんどん良くなって行く不思議なアイテムだ。で、そうなってくると、その精霊石は他の人間が使用しても、効力を発揮しなくなってしまう。
 そうなったものを、俗に銘入りと呼ぶのだ。
 かれこれ、20年そばに置いてるからなあ、これ。
 普通は誕生祝に精霊石なんてもらう奴は滅多にいないから、想像もつかなかったのは当然だと思うけど。
 気の毒に。
「そういうことは、最初に言え……ッ」
「そんな暇くれなかったじゃんよー」
 彼は、ガックリと肩を落とした。

 一見すると、可愛らしい少女としか見て取れない魔法師は、胡坐をかいて座り込んだまま、疲れ切った眼差しで一点を見つめている。いや、何も見てはいないのかもしれないけど。全身大打撃を喰らってへたり込んでいるオレの姿も、至近距離にして見えているのかいないのか。

「白の塔を知っているか」
 ポツリと呟く声。

 白の塔……?
 オレは記憶を辿った。
「名前は知ってる」
 白の塔といえば、アレだ。世界中の魔法師のエリートで構成される、魔法使い集団だ。
 オレが所属しているハンターギルドと同じように、その筋に長けている者が所属している機関、てことだけど、正直彼らが集まって何をやっているのか、どんなことをやっているのかは、まったくの謎。そして、世界各国に支部を持つハンターギルドと違って、白の塔はこの世にひとつしか存在しない。といっても、白の塔という機関そのものを、オレはこの目で見たことがない。
 白い塔の中で魔法師たちが切磋琢磨して魔法力を磨いている、というような見解で合ってるのかな。
「白の塔の内部情報は公にされていないから、名前しか知らないというのも当然だな。むしろ一般人はその存在すら知らないはずだ。だが実際やっている事は案外地味なことばかりなんだ。技術を磨き、魔法力が必要な場面には機関の人間が派遣される」
 うん、確かにそれだけ聞くと地味っぽい。
 大体、魔法力を自在に扱える人間自体が相当に少ないらしいから、そこいらでお目にかかることなんて滅多にない。だから彼らが普段どんなことをやっているのかも、わからないし想像しにくい。どこぞの王様の外交の護衛だとか、機密物の搬送時に活躍しているなんていう話は聞いたことがあるけど。
「だから、公にされていないから知っている人間は少ないが、白の塔は3年前に壊滅しているんだ」
「ええッ!?」
 そいつは初耳だぞ。
 道理で最近噂を聞かないはずだ……って、もともと噂なんてほとんど流れてこないってば、オレ。
 いや、ひとりボケツッコミしてる場合じゃなくて。
「なんで!?」
「……」
 いや、なんでってことはない、か。
 3年前といえば、大きな騒乱がひとつあった。
 この国では直接的な被害は無かったから、その事件に関して大きな危惧を抱いている人間は少ないけど、あれは、尋常じゃなかった。
 エルフの末裔だとか言われている召喚師たちの住んでいた大樹海や、精霊石の大量生産国が襲撃を受け、精霊石そのものの集積体と言われた原産国である島国は、国そのものを丸ごと破壊され、滅ぼされた。
 世界各地で起こった破壊活動は、どれも他の国との国交が極端に少ない場所だったから、誰も身近な記憶としては留めていない。
 各地で一斉に起こり、あっという間に鎮まってしまったせいもある。
 そうでなくとも、情報の入りにくい他国で起こった事件なんて、ピンと来ないのが普通だ。せいぜい、そのせいで精霊石が希少価値になってしまったという事実があるだけで。

 その事件の被害に、白の塔も遭ってたのか。

「オレとかハンターギルドの連中は、騒乱を起こした犯人は白の塔からの出奔者じゃないかって思ってたけどな? でかい魔法を使って攻撃してたし。塔が壊滅したってのは、それと関係してるのかな」
 要所要所でほぼ時間差無しで起こった事件だったから、魔法師数人(か数十か数百か)が、完璧な連携を保って計画的に起こしたんじゃないかってのがオレたちの見解だった。で、一国を叩けるほどの魔法師といえば、白の塔の関係者なんじゃないかと。
 頭の中で事件を組み合わせてみるオレだが、その解答には首を横に振られてしまった。
「白の塔は関係ない。犯人は別にいる」
 そうなのか。
 てか、やけに詳しいな。
 あ、アレか。こいつも魔法師な訳だから、白の塔の一員ってわけかな? てことは、もしかしてズバリガッツリ被害者?

「オレのせいなんだ」
「は?」
 なにが?

「各国の襲撃はどうだか知らないが、白の塔が壊滅させられた原因は、オレにある」
 ええ?
 それは一体、どういう事なんだろう。





==椎名の呟き==
あーもー、目立ちませんけど、ずんどこ風呂敷がでかくなってきましたよー。回収忘れのないようにね、椎名さん。

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